FUJI ROCK FESTIVAL 2014 7/27 SUN【出発編 〜地獄の深夜バス〜】

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フジロックに行って来た。日曜日の一日だけ。

今年は行く予定では無かった。しかし、急に気が変わり行くことにした。

その理由は「downyが出演するから。」どうしてもフジロックでのdownyのライヴが見たかった。ただそれだけの理由で行くことにしたのだが、色々と問題があった。

downyの出演時間は11:30〜、どうやら東京からの始発の新幹線では間に合うかどうか保証できない時間帯らしい。前乗りで前日の夜から苗場周辺の宿に泊まるか、もしくは深夜バスで行くかのどちらか。周辺の宿は時期的に既に予約でいっぱいだ。ここは深夜バスで行くのが無難だろう。

しかし深夜バスでフジロックに行くのは、10年前に一度だけ経験があるのだが、相当しんどい。二度と乗りたくないと思っていた。しかも今は10年前の20代の僕とは違う、もう30代だ。しかしそれでもdownyを見るため僕は覚悟を決めた。体力的な不安を抱えながら…。

 

宿が無い。テントも持ってない。となると、「朝まで過ごして始発で帰る」というプランになる。出発を深夜バスで満足に寝れない寝不足の体で朝までオールナイトとか無謀にもほどがある。しかし、行く前までは「まあなんとかなるっしょ」と楽観的だった。「フジロックで朝までオールナイトで始発の新幹線で帰る」というプランは何度か経験があった。現場に行ってしまえば眠いなんてあんまり感じなく、ハイになってなんだかんだ楽しいから結構平気なのである。

ただ、10年前の深夜バスのときはテント泊だった。「深夜バス→オールナイト」という組み合わせは経験がない。それでも「まあなんとかなるよ。」と思っていた。そのときはまさか地獄を見るとは思ってもみなかったのだ。

こんなアホみたいなスケジュールなので一人で行くことにした。というか誰も誘えないと思った。だって理由が「とにかくdownyが見たいから」だから。よっぽどdownyが好きで一緒に頑張ろうって思ってくれる相手じゃないと無理だと思った。「今回は過酷になる」ということだけはなんとなく感じてはいた。

 

そんなこんなで当日を向かえ、深夜バスに乗ったわけだけど。

深夜バスの出発は東京駅を土曜日の23:45出発→苗場には翌朝の日曜の6:00到着。

その6時間の間、全く寝れなかった。一睡も出来なかった。

その深夜バスは乗客は全員同じようにフジロックに行く人達なんだけど、バスが走り出した早々に隣の席の男(知らない人)が寝た。その男がやたら揺れる。バスの動きに合わせてグワングワン揺れる。そして僕の肩にめり込んでくる。その度にグイッと押す作業。気になって眠れない。

なんとなく隣も動かなくなったかな…やっと寝れるなと思った矢先、バスはサービスエリアに入り、車内の電気が点灯し「トイレ休憩に入ります」とマイクでアナウンスが。いや…まだ走り出して1時間しか経ってないじゃん…。

休憩も終わりまた走り出したと思ったらまた1時間くらいでトイレ休憩「時間調整のため今度は2時間後に出発します。」と、今度は2時間放置される。しかも電気はついたままだ。こんな中途半端に小出しで起こされては寝れるわけがない。

東京から苗場までは車で2〜3時間で到着するのだけど、あんまり早く着きすぎても現地はまだ開いてないし、現場の6時から待機してるスタッフに合わせるために3時間で着く距離をわざわざ6時間かけてゆっくり走るらしい。

たしかに夜中の3時に到着してもこっちとしてもどうすることもできないんだけど…。

だから体感では6時間乗ってる気分なのだ。6時間あれば名古屋まで行けるよ。

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東京を深夜0:00頃出発して、苗場に到着したのは6:00

6時間乗りっぱなしで一睡も出来なかった。

特筆すべきことはそこだけじゃない。そんな苦しい思いして無意味な時間調整までして到着したにもかかわらず、なんとフジロックの開場時間は9:00〜なのだ!

もう一度言おう。6時間かけて苦しい思いしたのに、さらに3時間の無駄な待ち時間があるというのだ! しかも前日の土曜は昼頃起きたからほぼ丸一日寝てない状態からオールナイトを過ごすことになってしまった。これはまずい。

リストバンドも手に入れて苗場にも着いて「やっと来たー」と嬉しい筈なのになぜか素直に喜べない。

開場9:00まであと3時間どう過ごそう。一睡も出来なかったからどっかで仮眠したい。腹も減ったからなんか食べたほうがいいだろうか。とか、色々落ち着かない。

 

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開場ゲートの手前に売店があるんだけど、そこに食料、薬、アウトドア用品とか、フジロックを快適に過ごすためのものを売ってくれるありがたいお店だ。

そこには僕のような行き場を失った難民達が多くたむろっている。いたるところに仮眠を取る人達が死体のように倒れている。ベンチや通路、アスファルトにまで難民が横たわっているという、この光景は毎年恒例なのだけど、僕は今まで「なんて迷惑な客なんだ」と難民勢に対し冷ややかな目で見ていたものだが、背に腹は代えられない。僕も便乗してここで仮眠を取らせてもらうことにした。

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幸運(?)にもベンチが空いていた。ここで9時まで寝させてもらおう。

しかし、やっぱり寝れない。結局30分くらいしか寝れなかった。ベンチが固いのでせめてタオルを下に敷いてみたり(ほとんどなんの意味もない)ウンウン唸りながら、ベンチでゴロゴロした。場所がトイレのすぐ前のベンチだったから人の往来が多い。5歳くらいの子供に「パパ〜人が寝てるよ。大丈夫なの?」と言われた。

『坊や、音楽は好きかい? おじさんみたいにならないためにいっぱい勉強して新潟に別荘を買うんだよ、いいね?』

開場時間が近づくにつれ行き交う人が増えてくるのでだんだん気まずくなってきたので寝るのは諦めた。

 

そろそろ9時なので開場に向かった。

昨日の夜からなにも口にしてないので空腹が限界だった。開場ゲート手前でステーキ丼を買った。

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少しでも体力をつけようという気持ちでのステーキ丼だったのだが、ステーキという名前だけで勝手に牛肉を想像していたのだけど豚肉だった。新潟はモチ豚というのが名物らしい。味がほとんどしなかったので塩をかけてもらった。

 

そしていよいよ開場したあとのことは、本編につづく