FUJI ROCK FESTIVAL 2016_7.22 Fri(Day 1)
今年で20周年をむかえるというフジロック、アニバーサリーということで、出演者が例年より豪華だった。とくにヘッドライナーがSIGUR RÓS、BECK、RED HOT CHILI PEPPERSの揃い踏みという異常自体。妄想で好きなバンド集めてタイムテーブル作ってみたら現実になってしまったかのよう。「ぼくがかんがえたさいきょうのタイムテーブル状態」
本当に、僕がいままで見たかったけど見れてなかったものが勢ぞろいして震えた。これは3日間いかないと後悔するやつだ。そんなわけで3日間行ったわけだけど。今年は3日間とも天候に恵まれた。暑すぎるくらい晴れた。なんという幸運か。今年も最高の3日間になったわけであります。
今年も去年と同じようにテント泊にした。当日の早朝のバスで行き、帰りは新幹線というプラン。1日目の当日の起床時間は早朝4時起き。
新宿から6:30発のツアーバスに乗り出発。
2回ほどサービスエリアに停車があり、10:30頃に現場到着。
チケットでリストバンドを受け取り、事前に宅配便で送っていたテント用具一式も受け取る。
まずはテントサイトへ入場。
猛暑の中テント設営。テント建て終わったのは正午12:00くらい。
腹が減ったので、テントサイト内にある売店でカレーと自家製ジンジャエールを昼食に。ジンジャエールが辛口で美味しい。カレーとめっちゃ合う。
と、フライドポテト。芋食ってる感のホクホクタイプ。
で、14時くらいまでテントでダラダラして、のんびり入場。
いつもの看板が「20th」と、アニバーサリー仕様になっていた。
会場内のいたるところで見かける岩にペイントされた可愛い目のオブジェ。パックマンに出てくるモンスターにしか見えない。
14:50〜 WHITE STAGE
このバンドは売れる(確信)
いや、もう売れてるんだと思うけど。とにかく今年の注目株らしい。今年の国内の野外フェスに引っ張りダコのサチモス。今年の国内の野外フェス全部網羅しちゃってんじゃないのってくらい彼らの名前をいたるところですごい見かける。
「サチモスいいよね〜」っていうのが今のトレンドかもしれない。
とにかくお洒落。きっと意識なんてしてないけどナチュラルにお洒落なんだろう。ベースの低音が特に気持ちよかった。ベーシストはSANABAGUN.というバンドも兼任しているらしい。そっちもいま話題なんだよなあ。
16:40〜 GREEN STAGE
ROUTE 17 Rock'n'Roll ORCHESTRA
(feat. 八代亜紀、仲井戸”CHABO”麗市、奥田民生、トータス松本)
ROUTE 17 Rock'n'Roll ORCHESTRAとは、ここ数年恒例になっている、色んなミュージシャンが集まってセッションするという面白い試みで、今回はトータス松本、奥田民生、仲井戸”CHABO”麗市と、なんと八代亜紀という。
演歌歌手がフジロックにでるというのはかなりレアだと思う。それぞれ順番に出てきて2曲ずつカバー曲を歌うのだけど、八代亜紀が全部もっていってしまった。
BBキングのカバーのあと、「舟歌」がはじまったときのどよめきと歓声がひときわ大きかった。まさかフジロックのグリーンステージで演歌が聴けるとは。
しかし、全然違和感が無いどころか、意外とマッチしていた。演歌ってこうやって聴くとブルースだったんだと。日本にも立派なルーツ音楽があることを誇りに思おう。貴重なものを見させてもらった。
それにしても八代亜紀はエモかった。演歌はEMOだった。ハードコアと演歌を融合したらもしかしたらめっちゃカッコイイ音楽が生まれるんじゃないの。って思った。
ゴミ箱の板に中村達也氏の粋なメッセージが。
(てっきりブランキージェットシティーの中村達也かと思いきや、一般の方らしいです。たまたま同姓同名だったらしい。)
このソーセージ、肉汁がはじける系のジューシータイプ。
毎年なんだかんだ毎回食べる鮎の塩焼き。焼きたてホクホク。粗塩の塩分が疲れた体にしみる。
18:50〜 GREEN STAGE
JAMES BLAKE
とにかく2012のフジロックで見たJAMES BLAKEの衝撃が忘れられなく、前回はホワイトステージだったのだけど、今回はグリーンステージということで、あの世界感を規模が大きくなったステージでどれくらいスケールアップするのかに注目した。
JAMES BLAKEの音楽って、とことん削ぎ落として落としまくった結果、細い骨組みだけが残ったような音楽だから、一瞬でも気を抜いたら破綻してしまいそうなスリルがある。CDだけ聴くとダブステップだから打ち込みかと思いきや、生演奏のバンドなんすよね。全部リアルタイムで人力だから、特にリズムキープしてるドラマーのプレッシャーはハンパ無いと思う。
音をシンプルにすればするほど、音は力強くなるし針のように突き刺さるインパクトを獲得できる。そのかわりごまかしが一切できないハイリスクを伴う。その音のインパクトに極端にこだわった人たちなんだと思う。
そのヒリヒリした緊張感がたまらん。そして、あのエグく揺れる重低音もたまらん。鼻の先までビリビリと揺れる低音をピタッと切り裂くブレイクの間、ヒュン!と谷に落とされるような隙間もたまらん。現場でしか味えない系の音の衝撃。
18:50〜 GREEN STAGE
ジェームス・ブレイクからのシガーロスという最高の采配。畳み掛けすぎ。1日目から本気出しすぎ。スマッシュは僕を殺しにかかっているのか。
シガーロスの海のような轟音を全身で浴びるため、頑張ってできるだけ前のほうに行ったらモッシュピット手前の柵の最前を確保できた。目の前はセキュリティの通路のスペースがあるために視界に遮るものがない最高のロケーションだった。
僕のなかでフジロックで過去これ以上ないロケーションである。嬉しかった。この場所を横取りしようと僕の斜め後ろにぴったりくっついて執拗にガシガシ押してくる人がいた。足を踏ん張って肘を張り死守した。悪いけどここは絶対に譲れない。
そして目の前の柵の中のモッシュピットはそれ以上にピリピリした空気だった。シガーロスを少しでも近くで見たい人たちがどんどん柵の中に吸い込まれていき、満員電車のように柵の中に押し込まれ、強引に柵で蓋をされていた。モッシュピットが入場規制になる瞬間を間近で確認した。
そんななかステージのうえではシガーロスは絶望と希望が爆発した宇宙みたいな轟音をだしまくっていた。なんだこの状況は。夢か? 現実味がなさすぎて意識が朦朧とした。ときどきハッと我に返って「あ、そうだ、いまフジロックに来てるんだった。」と。
この日のシガーロスはサポートメンバーは特にいなかった。純粋に3人だけ。2013年にピアノのキャータン・スヴェインソンが脱退したのだけど、2013年の来日公演では、ピアノはサポートメンバーがピアノを弾いていた。シガーロスの曲にピアノはかかせない。キャータンが脱退したらどうなってしまうのかと心配だったけど、サポートメンバーが完全に再現してくれていたので安心していた。
しかし今回は3人だけだった。多少打ち込みを被せてはいたとは思うけど、よく聴くと3人用に曲のアレンジも変えていた。とても3人とは思えない音の厚みとスケール感だった。3人も新鮮。とくにボーカルのヨンシーのギターが際立って聴こえた。あのバイオリンの弓で出すノイズがたまらん。
でも、やっぱりこのバンドにはピアノが重要なポジションなんだと思った。どうしてもメロディの幅が狭く感じてしまった。贅沢なことを言っていると思うけど。
JAMES BLAKE、SIGUR RÓSと立て続けに堪能し、ヘッドライナーが2つあったみたいな気分だった。
この日はもう満足してしまいテントに戻った。このあとレッドマーキーの深夜枠のD.A.N → MURA MASA → SOPHIEも見たかったがもう限界だった。思えばこの日は朝から動いている。まだ初日だ、無理は禁物である。 SOPHIEが見れなかったのが唯一の心残りではあったが。
そういえばこの日はあんまり食べてなかった。
具沢山のカレーがしみた。優しい味。
テントに戻り、1時頃に就寝。
2日目に続く。