FUJI ROCK FESTIVAL 2003_07.27(SUN)

2003年フジロック、最終日です。

前日からの続きです。

 

テントで宿泊したわけですが、朝方猛烈な熱さで目が覚めた。6時か7時くらいに目が覚めたと思う。夜は肌寒いくらいだったんですけど、朝は熱かった。テントの中がサウナ状態。

ゴソゴソとテントを出ると晴れていた。周りのテントを見るとみんな起きてくつろいでいた。とりあえず歯を磨いたり顔を洗ったりしながらダラダラした。前日はしゃぎすぎたのか体中が痛い。しかし山の気持ちいい空気と今フジロックにいるというシチュエーションで疲れは全く感じなかった。

 

開場は9:00だけど、11:00からのJUDEまで特に見る予定もなかったので11:00までテントでダラダラした。疲れは感じないとはいえ、まだ1日残っている。体力を温存しておきたかった。はじめてのフジロック、なにが起こるかわからない。

 

・11:00〜11:50

グリーンステージ:JUDE

BLANKEY JET CITYが解散したあとボーカルのベンジーが新たに作ったバンドJUDEです。BLANKEY JET CITYは解散ライヴを観に行きましたし大好きなバンドです。JUDEのライヴはこのときはじめて見たけど、やっぱカッコ良かった。そしてどうしてもベンジーを目で追ってしまう。途中でブランキー時代の「Ice Candy」という曲をやってくれてめちゃくちゃ嬉しかった。水色でとってもクールなアイスキャンディがとっても恋しいと歌うこの曲は、真夏の晴れた日にピッタリの曲だと思った。そしてベンジーがステージから飲みかけの水のペットボトルを客に投げたその軌道がすごく高くて、真っ青な晴れた空に高く高く飛んでいき、水がキラキラと光りの放物線を描いていたのが心に残った。

 

・12:50〜13:30

RED MARQUEE:JET

オーストラリア・メルボルン出身のバンドらしいです。ここ数年リバイバルブームというか、古典的なブリティッシュロックをあえて今の時代にやるみたいな、古いテイストを強調したバンドが流行っている気がする。ストロークスとかコーラルとか然り。このJETというバンドは最近デビューしたばかりらしい。正直ちょっと演奏が荒削りだった気がした。

 

・14:00〜14:50

グリーンステージ:Vincent Gallo

ヴィンセント・ギャロです。バファッロー66'は大好きな映画だし彼のファンなんですけど、正直ライヴは地味でした。それにしても俳優もやるし監督もアートもやって音楽までやっちゃうなんて、多彩な人ですね。おまけにイケメンだし。ヴィンセント・ギャロを肉眼で見たという事実だけで満足した。

 

・15:30〜16:30

グリーンステージ:EVANESCENCE

アメリカのゴシックメタルです。シングル曲が映画に使われて1400万枚の大ヒットしたらしいです。グラミー賞で最優秀新人賞を受賞したらしい。今年発売したアルバムが日本でも売れてるんですって。旬のものだし見ておこうと、MTVでもこのバンドの曲めっちゃ流れまくってるし。

しかし、正直微妙でした。音も軽いし、荒削りだし、PVとだいぶイメージが違う…。ちょっと期待はずれでしたすいません。

 

このあたりでご飯をたべながら休憩。

 

・19:10〜20:40

Elvis Costello

エルビス・コステロです。PAのやや後方あたりに折りたたみ椅子で座ってゆったり見ました。しっとりしたアコースティックな曲が多くとっても良かったです。すごく贅沢な時間を過ごした気分になった。

 

・21:40〜

グリーンステージ:Massive Attack

いよいよこの日のヘッドライナーのマッシヴアタックなんですが、困ったことに22:20からはじまるホワイトステージのモグワイも見たい、こうなったらマッシブは前半30分だけ見て、モグワイに移動することにした、両方見ようと。

グリーンとホワイトの間は意外と距離があるし、道が混む可能性もある。よくばってどっちも中途半端になるのが怖いけど、ここは頑張って移動しよう。だってどっちも見たいんだもの。

連れの友人もどちらかというとモグワイのほうが気になると、俺も同じ気持ちだった。マッシヴは正直チラ見でもいいかなと思っていた。

しかし、マッシヴアタックが始まって1曲目から息を飲んだ。ステージがカッコ良すぎて、先ほどの計画が揺らいだ。「やべえ…これずっと見ていたいかも…。」

ステージに巨大なスクリーンが設置してあり、「2003年7月27日 午後9時40分」と現在の時刻が表示したあと世界地図が浮かび上がり、緯度と経度が表示されて、新潟の苗場の現在地を表示すると大きな歓声が上がった。これからライヴが始るという期待感が一気に高まる。なんてお洒落な演出なんだ…こんなの見たことねえよ…。

そして低音がズゥゥゥーーンって凄かったです。たった1音で会場の空気が一瞬でガラッとシリアスに変わりました。さらにそれが苗場の山に響いていて残響が跳ね返ってくる感じもゾクゾクしました。すげえ壮大、あきらかに他とちょっと違うんですよ。

「ああ、どうしようモグワイも見たいけど、これも見たいなあ」

しかし、グッと堪えてホワイトステージへ…

 

・22:20〜23:40

ホワイトステージ:MOGWAI

このバンドずっと気になっていたんですよ。このライヴは是非体験してみたいと。つい先ほどマッシヴアタックのカッコいいライヴを目の当たりにしても、それでも観たかった。

このバンドの一番の特徴は一言で「轟音」なんですけど、とにかく音がデカい。音のデカさだけなら世界一なのかもしれない。これは現場で体験しないと分からないと思った。

で、実際どうだったかというと、ほんと凄かったんですよ。もうジェットコースターみたいでしたよ。「くるぞ…くるぞ…きたああああ」と、デカい音を楽しむアトラクションみたいで、確かに今まで体験したことがないような音圧なんですよ。

そんななかビックリしたことがひとつあって、だいたい音量って2、3曲聞いてたら最大音量が大体わかるじゃないですか、1曲に山場が一カ所あったとしてその最大音量を一回聞いたらそれが全体の最大音量だと思うじゃないですか。しかし最大だと思っていた音量が更に上から音が重なった瞬間があったんです。音量の向こう側を体験した気分になりました。「まだ上がった…!!」と…。

最後の曲に「Fear Satan」という曲をやったんです。この曲は10分くらいの長めの曲なんですけど、後半でグンッとギターリフが重なって音量が上がったんですよ。

ギターが3本もあってそれぞれがデカい音を出したら、音は塊になるだけだと思うのに、爆発音みたいにゴーーってなるだけな筈なのに。しかし爆発音にならないでメロディとしてのギターの音が重なるんですよ。しかも最大音量だと思ってた上から…。いったいどういうセッティングをしてどういうプレイをしたらあんな現象がおこるのか…。常識の理解を超えた体験でした。

クレヨンで色を塗りまくって真っ黒になった紙があったとして、これ以上塗っても色なんか重ならないと思ってたのに更に濃い色が重なった!みたいな…。どんな色のクレヨン使ったの!?っていう。

しかも音がデカいといっても耳をつんざくような音ではなくて、包み込むような柔らかい音なんです。まるで全身マッサージのようにブルブルと体が震え。まるで海のような轟音でした。

 

そして、モグワイが終わり、余韻に浸る暇もなく高速深夜バスに乗って東京まで帰りました。苗場の会場の近くのバス停から新宿まで走ってくれるツアー用のバスで帰りました。出発前に往復のツアーのチケットを予約して購入していたのです。

帰りのバスはもう一気に疲れがドッときて熟睡でした。気がついたら朝方新宿に到着してました。

なんかあっという間に終わったし、夢のような2日間でした。

また行きたいです。今度は3日間フルで。

本当に楽しかった。