キセル “一色海岸 Blue Moon”
葉山の一色海岸にあるBlue Moonという海の家で、キセルのライヴがあるというので観に行ってきました。
場所は都内から電車とバスを乗り継いで大体1時間半くらい。
それにしても暑かった、素晴らしい快晴だった。
で、現場に到着するとまず海がどーーん
会場は、Blue Moonという海の家。
すぐ近くに海というロケーション。海まで近い、近すぎる。
中はこんな感じ。
ライヴは19:00からだったんですけど、16:00頃到着したので、椅子に座りながら海を眺めながらライヴがはじまるのをのんびり待ってました。
その間、キセル本人がステージでリハをしてたり、リハが終わったらキセルの2人がそのへんを客に紛れてウロウロしてたり、これからライヴをやる有名ミュージシャンとは思えないくらい客と溶け込んでました。
18:00をすぎたあたりから店のスタッフの人が「これからこちらはライヴ会場になりますので椅子を移動しまーーす」と声がかかり、気がつけば人もかなり増えていて、それまで海の家のマッタリした空気から、いよいよライヴがはじまるんだという雰囲気になってきたところで、はじまる前にトイレ行っとこうと席を立って、
トイレから戻って席に戻ったら連れが興奮ぎみに僕にこう言ったんですよ。
「あそこに浅野忠信がいるよ…!」
えっ
横のほうを見ると、たしかに浅野忠信がカウンターの近くに立っていたんですよ。
知り合いっぽい人と喋っている浅野忠信が。
5秒くらい固まりましたよ。
「あ、ホントだ…本物じゃん」「えっ…なんで?」
偶然たまたま一色海岸に遊びに来ていたのか、それともキセルのライヴを観に来たのか、なぜそこに浅野忠信がいたのかは分かりませんが、浅野忠信が有名な俳優とは思えないくらい普通に客と溶け込んでました。
これからキセルのライヴを楽しもうとしているところで、浅野忠信がビックネームすぎて訳が分からない気持ちになりました。
そんなこんなで19:00になり、いよいよライヴがはじまりました
ライヴが始まると、それまでガヤガヤしていた客が聴く体勢になって一瞬静かになったときに、それまで聞こえなかった海の波の音が背中から聞こえてきました。
「あ、波ってこんなデカい音で聞こえるんだ…」
そこにキセルの音楽が合わさって、とんでもないα波を出してました。癒すにも程があるぞと僕は思いました。
そして彼らは、一音一音を大事に鳴らすんだなあと思った。
当たり前なのかもしれないけど、音がすごく綺麗なんですよ。すごく響くんですよ。
それぞれの音符一個ずつ響く音が本当に丁寧なんですよ。きっともの凄く神経すり減らして鳴らしているのかもしれないって思った。
キセルの音楽は基本フォークだったりしっとりした曲が多いので、「キセルの音楽はゆるい」とか「癒し系」みたいなイメージがあったんですけど、
ゆるいなんてとんでもない、なんて緊張感のあるライヴなんだと思った。僕は一音も聴き逃すまいと固唾を飲んで聴き入りました。
決して本人達は緊張感とか一切感じさせない終始マッタリしたライヴでお客さんを和ませているから、聴き方を間違ってるかもしれないし、僕の勝手な想像ですけどそんなことを感じました。
どうやったらあんないい音が出るんだろうかと不思議でたまらなかった。
ライヴ終了後、機材を観に行くと、ギターアンプがフェンダーでもVOXでもなく、自宅練習用のような小さいミニアンプにマイクを繋げただけでした。きっと海の家という環境での最小限の機材だったのだと思う。
僕はますます分からなくなった。「どうやったらあんないい音を出せるんだろう…。」
また観に行きたいです。
すげえ楽しかった。