岡村靖幸_早稲田祭2014

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早稲田大学の学園祭に岡村靖幸がライヴするというので見に行った。

そういえば大学の学園祭でミュージシャンのライヴを見るのははじめてだ。現場はどんな雰囲気なのか全く想像がつかない。高校の文化祭みたいな感じしか想像ができない。学校にある広いスペースなんて体育館しか思い浮かばない。なんせキャンパスライフを送ったことがないもんで。

早稲田駅に着くと駅前は人であふれていた。道が人で渋滞していた。すごい熱気である。女子大生がたくさんいるけど、まさか会場は女子大生で溢れかえるんだろうか。期待と不安が入り乱れながら、会場となる早稲田大学戸山キャンパス記念会堂という建物に到着した。

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記念会堂の建物周辺に到着して僕は気がついた。明らかに客層が変わった。年齢層がぐっと上がった。女子大生?駅前にあんなにたくさんいた女子大生はどこに消えたのだろう。現場にいるのはバブル世代のこじらせ女子と、僕と同じようなサブカルクソ野郎しか見当たらない。現役の早稲田の学生は1割くらいで、ほぼ岡村ちゃんのベイベ(ファンの愛称)しかいないではないか。

 

13:30から整理番号順に整列がはじまるらしい。競馬のパドックのようにビニールテープが貼られ、100番単位で振り分けられている。

まずそこに自分の番号に入り、14:30の開場まで一旦そこで待機するのだけど、パドックに入るときに人が一斉になだれ込んだ。焦る運営スタッフ。一旦やりなおし。「押し合わないでください!走らないでください!」

まだ開場すらしていないというのにこの混乱。前途多難である。運営スタッフはみんな早稲田の学生だった。不安そうな顔の学生達。「ごめんね。おじちゃんとおばちゃん、岡村ちゃんが好きすぎて興奮してるの。」

 

14:30、「開場の際、決して走らないでください!列を乱さないでください!」と、過剰なまでに釘をさされ。厳戒態勢のもと慎重かつ過保護に誘導されながら開場した。スタッフが工事現場の長いポールで我々を囲みながら開場に誘導したとき、おおげさすぎて笑った。それだけ岡村靖幸が早稲田に来たということが事件だったのかもしれない。熱狂と混乱が期待を煽った。

 

イベントのタイトルは「4限に君とまちあわせ」

岡村ちゃんらしいタイトルである。岡村ちゃんのライヴは、ライヴともコンサートとも呼ばない。DATE(デート)というらしい。ベイベ達は岡村ちゃんとDATEするために早稲田大学に待ち合わせしにきているのである。

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この日は岡村ちゃんともう一人、清竜人という人もライヴをやる予定だという。

正直誰だか知らなかった。どんな人なんだろうと調べてみた。

 

まあ、いい声だ。歌い上げる系のシンガーなのか、そうか。

ふーん。と思ってたら、今回は清竜人ではなくて清竜人25というグループなんだという。あ、ソロじゃないの? 後ろに付いた「25」ってなんだろうと更に調べたら。

 

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アイドルグループだった。

しかも、てっきり清竜人という人が新しいアイドルグループをプロデュースしたのかと思いきや、清竜人はセンターだという。

「アイドルグループを作りました。センターは俺。」

一体どういうことなのか、コンセプトはハーレム。6人の女の子は俺の嫁。全員名字は「清」で肩書きには第1夫人〜第6夫人と書いてある。

斬新すぎる設定である。

アイドルがブームの昨今、新しいジャンルを作ってしまったかもしれない。

普通アイドルって、ファンの方々がそれぞれ自分が好きな子を「俺の嫁」と思い込んで応援するという図式なのに、すでに旦那がメンバーにいるアイドルは新しすぎる。

そして、実際のライヴは、ハーレムの設定を徹底していた。清竜人はMCでも一切喋らない。女の子が自己紹介している間はポケットに手をつっこんでポーズを決めている。お姫様だっこして告知をさせたり。終始、清竜人はドヤ顔とキメ顔。それがだんだん面白くなってきてジワジワ笑った。

面白いものを見させてもらって得した気分になった。

 

 

 

30分ほどの転換があり、いよいよ岡村ちゃんの登場なんだけど、清竜人25のときのセットはカラオケだったんだけど、まあ学園祭だしオケをスピーカーから流すくらいのもんだよねって思ったんだけど、岡村ちゃんのときはさすがにちゃんと生楽器と機材を搬入してくれた。

もうリハの時点ですでに音がカッコいい。そして音量が1.5倍くらいデカくなった。

やっぱ音が全然違う。

オープニングのSEの出だしの「ジャン!」で全身鳥肌が立った。ダブステップっぽいノイズが爆音でドンッと出た瞬間、早稲田大学の空気が変わった。

氣志團万博で見た時も思ったんだけど、たった1音で空気を変えてしまった。

 

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この日のセットリストは初見でも分かりやすい定番の曲を中心にやってくれた。岡村ちゃんの曲はそれぞれ見所がたくさんある。キレのあるダンスも見たいし、キレのある回転も、投げキッスも見たい。一挙手一投足見逃せない。岡村ちゃんを常に目で追っても情報量が多すぎる。

岡村ちゃんがちょっと手を振ると、お客さんは我も我もと手を振る。岡村ちゃんが右側に歩いて手を振ると右側の人が手を振り。岡村ちゃんが移動すると、上がる手もまるでウエーブのように移動する。

氣志團万博のときはお客さんのことを「氣志團ベイベ」と呼んでくれたので、今回は早稲田大学なので「早稲田ベイベ」かなって思ったら「早稲田のベイベ」だった。「『の』がつくんだー。」っていうだけで一喜一憂できる岡村ちゃんってすごい。

「やすゆき!!!!!かっこいい!!!!!!!」と、絶叫のような黄色い歓声を浴びる49歳の岡村ちゃん。この人の魅力は不思議だ。昔の全盛期の頃のライヴの映像を見ると、たしかに王子様のようなキャラクターだった。こんだけナルシストを徹底した人で岡村靖幸を超える人は日本にはいないと思う。しかし確実にいま現在の岡村ちゃんが一番脂がのっていると思う。全盛期の時代を知らないにわかだけど、いまの岡村靖幸が一番輝いていると僕は思う。魅力を伝えるのに一言では済ませられないもどかしさがあるけれど。

アンコールも即興でピアノの弾き語りをやってくれた。大満足の一日であった。

 

 

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