FUJI ROCK FESTIVAL 2015_7.26 Sun(Day 3)
FUJI ROCK FESTIVAL '15_7.24 Fri(1日目)
FUJI ROCK FESTIVAL '15_7.25 Sat(2日目)
フジロック3日目。最終日である。長いようであっという間だった。
この日も快晴。結局3日間一滴も雨は降らず。この日も暑かった。
昨夜、ウィルコ・ジョンソンを見る為に4時まで起きていたから、最終日は昼まで寝ようと決めていた。が、暑くて全然寝れない。10時くらいまでテントでダラダラと過ごした。
そして、入場もせずに会場の反対方向に歩いて行き、苗場周辺にある温泉街へ。温泉に入りに行った。普段は苗場スキー場のスキー客のために営業している民宿やホテルが、フジロックの客のために営業してくれているのである。
温泉に入って2日間の疲れがリセットされた。魂の洗濯とはこのことか。
風呂上がりに飲んだコーヒー牛乳が美味すぎて口から光が出た。
ロビーに畳のくつろぐスペースがあり、フジロックの客がいっぱいゴロ寝していて、スラムダンクとドラゴンボールが全巻揃ってて、テレビがあってのど自慢が垂れ流しで、森進一を見ながら「大御所感だしてるねぇ」とみんなで見てて、「えっ、なにこの居心地の良さ…。実家みたい…!」と、なんかすごく癒された。
温泉宿には食堂もありカツ丼を食べた。美味い。味噌汁が嬉しい。
そのあと、また一旦テントに戻って、太陽が隠れるまでダラダラした。トッド・ラングレンが気になるところだが、無理はしない。だって、今日も深夜まで予定があるから。3日目の最終日は夜にいっぱい見たいものが固まっている。日中は温存だ。
夕方、涼しくなってきたころようやく入場。
RED MARQUEE 16:20〜
JENNY LEWIS
インディーズ界の歌姫ジェニー・ルイス、とってもキュートで可愛かった。
この人、僕はポスタルサービスの曲に参加した可愛い声のあの人という印象が強い。上の動画はベン・ギバードがソロライヴでポスタルサービスの曲を弾き語りで歌ったとき、サプライズでジェニー・ルイスが登場したときのもので、こんな感じでベン・ギバードが逆に出てきたら俺は泣く。と、実現率0.5%以下の妄想を胸に見に行った。せめてNothing Betterをカバーしてくれないかなー。って、違うところに期待しすぎた。
それは、ポスタルサービスが再結成したときの楽しみにとっておこう。
GREEN STAGE 17:20〜
ようやく見ることができた椎名林檎。
生林檎を見ようとグリーンステージにはもの凄い人が集まっていた。
林檎ちゃんはそりゃあ可愛かったしツンデレだった。歌ったあとプイッとそっぽを向いて、間奏中にピアノにもたれたり、歌う瞬間クルッとマイクに向かう動きとか、林檎に目が離せない。林檎の一挙手一投足に目が奪われ、モニターで顔を確認すると、憂いな表情だったり、椎名林檎というキャラクターを徹底して守っていた。椎名林檎は女優だった。
この日の衣装は真っ白な清楚なワンピースにピンクのピンヒールで、頭に真っ赤なリボンをつけて、まるでオードリー・ヘプバーンのようだった。
しかし、ライブの終盤で、そのワンピースを脱いでなんと水着姿になったのだ。グリーンステージの数万人のどよめきと歓声が包んだ。
しかし、あろうことか、その一番のハイライトである水着に衣装チェンジする瞬間を、僕は見逃した。たまたまそのとき水分を補給しようとバッグをゴソゴソして下を見ていた。今回のフジロックの3日間の唯一の心残りはそれだ。馬鹿野郎ポカリなんか飲んでる場合じゃねえ。
そして、唯一喋ったMCが「苗場の皆様、トッド・ラングレンはご覧になりました?」だった。やっぱトッド・ラングレンは見とくべきだったのか。
Gypsy Avalon 18:00〜
PERROSKY
チリの2人組のブルースロック。
チリっていう時点で渋い。2人は兄弟らしい。
まずこのアー写で僕の心は鷲掴みになった。フジロック公式に載っていた写真である。この飾らないスタイル。ロックだよね。この撮影場所はいったいどこなんだよ。実家の裏? なんでこの写真にしたんだよって、もう彼らに夢中である。ロックってこういうことなんだと思う。
でも、音はジョンスペみたいでカッコいいんだよなあ。もう彼らのことが気になって仕方ない。見とかないと気が済まないと思った。見れて良かったですよホントに。
暗闇でガパオご飯とグルグルウインナーを食べる。
Gypsy Avalon 19:30〜
Räfven
ヘブンでご飯を買ってこのあとホワイトのハドソン・モホークを見に行こうと歩いてたらアヴァロンでレーヴェンのライヴが始まりそうだった。
「レーヴェンは昨日見たしいいよね。」と通り過ぎようと思ったのだけど、どうしても気になって「やっぱちょっと見て行こう…」と戻った。レーヴェンを見ずに通り過ぎることがどうしてもできなかった。アヴァロンのステージは人で溢れていた。通りかかった人達がみんな足を止め、どんどん吸い込まれていく。人がどんどん集まってすごいことになっていた。
レーヴェンはこのステージでいったい何回目のライヴだったんだろう。たくさんやったぶん目に触れる機会も多く、口コミが口コミを呼び、最終日はもうみんなレーヴェンのことが大好きになったに違いない。開催中、移動中に「レーヴェンやばかったね」っていう声をたくさん聞いた。「レーヴェン見た?見てないの?じゃあゼロレーベンじゃん。俺3回見たから3レーヴェン」っていうような会話を何度か耳にした。新しい単位が生まれるくらいレーヴェンは3日間でみんなの心を掴んだ。
僕は2回見たから2レーヴェンということになる。
WHITE STAGE 19:40〜
MacBookのCMでおなじみのあの曲の人らしい。
てっきりDJなのかと思ったら、3人編成の生演奏だった。
先ほどのレーヴェンで足を止めたのですでに始まっていた。途中からアヴァロンからの坂をくだってホワイトステージに辿り着いて、ステージに近づいたら、低音が凄すぎて空気中の濃度が少しおかしくなっていた。なんか急に水中に入ったみたいに体が重くなったみたいな。巨大な気泡に包まれたみたいというか、全身がブルブルと揺れた。
僕と同じように慌ててホワイトステージに向かってる人が「全身の毛穴で音を吸収した〜い!!!!」と叫びながら走って僕を追い越して行った。
なるほど、気持ちが分かった。この低音は滅多な体験じゃない。現場でしか味わえない異空間だった。
WHITE STAGE 21:40〜
FKA twigs
ジャマイカとスペインのハーフのシンガーらしい。去年デビューアルバムを1枚出しただけなんだけど、「未来から来たR&B」と称され、ポストビョークと呼ばれ、各界から絶賛の嵐らしい。確かに、未来からタイムスリップしてきた未来人に思えた。先を行き過ぎたネクストレベルだった。同じ人間とは思えない。もしかしたら宇宙人だったのか、サイボーグだったのかもしれない。ちょっと規格外すぎて頭の中の処理が追いつかず思考が停止した。
音は基本ダブステップで、低音がえげつなくみぞおちをエグる感じ。ちゃんと人力でリズムを刻むバンド編成なんだけど、徹底的に削ぎ落としまくった緊張感で、歌はR&B、ダンスはコンテンポラリーという。そして、えげつない低音に連動して照明のライティングが芸術的で、なんかステージ全体がアート作品のようだった。
やばいやばいやばいと心の中で繰り返し、半笑いが止まらなかった。今年のフジロックの断トツのベストアクト、いや、いままで生涯で観た数々のライヴでベスト3に入ると言っても言い過ぎじゃない。
見る前までは、きっと2012年のとき同じくホワイトステージで観たジェームス・ブレイクと同じようなシチュエーションだなと思い。ジェームス・ブレイクくらいの衝撃を与えてくれるだろうと予想して期待していたら、それを遥かに上回り、予想の斜め上をいっていた。これはこの人、数年後にはすごいことになるぞと…。ビョークをしのぐ逸材なんじゃないのかひょっとして…。デビューしたての初期衝動を目撃できて幸運だと思った。
ただただ呆然と立ち尽くし、いま起こっていることを目に焼き付けるのに必死で、一音も聞き逃すまいと固唾を飲んだ。
FKA twigsのライヴが終わってところ天国の河原でしばらく余韻に浸った。裏ではヘッドライナーのノエル・ギャラガーがやっていて、おそらく最後の曲のDon't look back in angerのサビの大合唱が風にのって聞こえる。こうやって聴くのもなかなか贅沢だ。
メインのステージが終わり、この後はレッドマーキーで朝までオールナイトという形になる。レッドマーキーへ移動する。
RED MARQUEE 23:50〜
女王蜂
ボーカルのアブちゃんが可愛かった。
もうアブちゃんに見とれた。足がめっちゃ長くて細い。モデルみたいなスタイル。
後ろ姿がキレイなお姉さんにしか見えないんだけど、本当は女なんじゃ…?ちょっと野太い声を出すことができる女性なのかもしれない。だって酒焼けしたあんな声の女の人とか結構いるじゃん?え、どっちどっち?
って、混乱したんだけど、もはや性別なんてどうでもいい。性別を超越した魅力があると思う。フロントマンがこんな魅力のあるビジュアルというのはバンドとして相当なステータスだと思う。究極のビジュアル系なのかもしれない。
石釜で焼きたてのピザを食べる。美味すぎて笑った。疲れた体に塩分が染み渡る。
RED MARQUEE 1:30〜
Seiho
DJというか、リアルタイムで曲を演奏するタイプのEDM。
この手のEDMの人ってみんな淡々とやるじゃないですか、でもこの人すげえ動く。なんでそんな動きまくってプレイできんだよってくらい踊り狂う。客より踊ってると思う。躍動感がすごい。ぜんぜんスカしてないのがいい。動きが激しすぎてたまに機材を落とす。エモい。そして人柄がすごい謙虚というかいい人が隠しきれていない佇まい。好感度が高すぎ。
音がとにかく多彩で、常にキメキメのバキバキなんだけど、アンビエントも絶妙に混ぜるのでメリハリがハッキリしている。展開の早さもたいがいすごいけど、音の繊細さがすごく好み。情報量が多すぎる。ずっと見ていたくなる中毒性がある。
そして今回なぜかターンテーブルの上に乗って仁王立ちし牛乳を一気飲みしていた。花瓶いっぱいの牛乳を腰に手をあてて一気飲みするSeihoさん、男らしくてカッコ良かった。
僕の周りで外人が盛り上がりまくっていて、知らない外人から団扇を貰った。ハートウォーミングな現場であった。フジロック3日間の締めとして最高だった。
そんな感じで3日間終わってしまった。毎年この帰りの「SEE YOU」の看板を見るたび「終わったんだな…」って淋しい気持ちになる。
テントに戻って寝たのがたしか3時頃。
次の日は11時までにテントサイトから撤収しないといけないので、9時くらいに起きて、テントを片付けた。
シャトルバスで越後湯沢駅まで行って。帰りは新幹線で東京に戻った。
越後湯沢の駅前で、名物の蕎麦が食べたかったのだけど、すごい行列だったので、諦めて駅の立ち食い蕎麦に妥協したのだけど、
その蕎麦がコシがあってめちゃくちゃ美味かった。思わず「うま…」って声が出た。
立ち食い蕎麦屋のレベルじゃない。立ち食い蕎麦屋でこのレベル、新潟の蕎麦に対するポテンシャルの高さに驚愕した。
以上が僕のフジロックでした。
また来年も行けると嬉しい。