やついフェス 2016
やついフェスに行ってきた。
エレキコミックのやついいちろうが主催するイベントで、渋谷のライブハウス10箇所を利用したフェスで、出演者の数がとにかく多い。2日間で285組が出演するという。
285組ですよ、285組。285組ってやばくないすか。お客さんの数じゃないですよ。出演者の数が285組なんですってよ。
では、タイムテーブルをご覧ください。
多すぎて目がくらむ。
リストバンドで、この渋谷のライヴハウス10軒が全部入り放題という。
贅沢〜。
では、僕が見たものを順番に。
14:00〜
飛ぶ鳥を落とす勢いのコムアイちゃん、ようやく観れた。嬉しい。
ライヴがスタートして、ステージの幕が開いたらステージには誰もいなくて、後ろから声が聞こえてきたので「え?どこどこ?」とザワザワしてたら、2階席に座って歌っていた。客席から登場するというサプライズだった。
そして、でっかい風船をもってきたので、「ああ、客席でみんなではじくやつね」って思ったら、中にコムアイちゃんが入ってそのままダイブしたという。斬新すぎる。
それにしてもコムアイちゃんが可愛かった。中毒性が半端ない。完全にハマった。もしかしたら天才なんじゃないか。
15:10〜
清 竜人25
「一夫多妻制アイドル」という斬新な設定のアイドル、清竜人25。
普通アイドルって、ファンサイドが好みの女の子を「俺の嫁」と思い込み応援するという図式が主流であるが、このアイドルはすでに旦那がメンバーにいて、しかもセンターだという。清竜人という旦那に嫁が第一夫人から第七夫人まで6人いるハーレム状態という設定なのだ。
ファンはどういう気持ちになればいいのか。気持ちの持っていきかたの難易度が高いアイドルだ。ああ、でもあれだ。所詮アイドルは手の届かない存在である。存在自体がファンタジーなんだしどっちでもいっか。
ステージ上で、モテまくりのようなパフォーマンスなんだけど、よく見ると寸前で触れないようにしている。腰に手をあてるときも腕がわずかに離れていたりと、以外と女の子達に気を使っているのかもしれない。そこはあくまでショーの演技であるというストイックさを感じた。
16:15〜
日本一ジャズマスターが似合う女、田渕ひさ子率いるtoddle。
田渕さんは日本の女性ギタリストで一番好きです。男前な演奏がカッコいい。
90年代後半から2000年のはじめまで、日本でもエモと呼ばれるインディーズバンドが盛んだった時代の音。懐かしいグルーヴである。ホコリ臭いビッグマフの揺れる爆音。そうだ、僕が18歳くらいのときどっぷり浸かっていたあの音だ。なんて居心地がいい音だろうかと。
toddleはギターポップで、田渕ひさ子はギターボーカルとしてシンプルなギターに徹しているのだけど、間奏のときとか時折ハウリング混じりのウネる音をだすので、ナンバーガール時代の片鱗がチラチラと出ていて、血が騒いで仕方なかった。
asia
17:35 〜
竹内電気というバンドのフロントの2人による、アイドルユニット。
「アイドルじゃないしバンドでもないけど、楽しけりゃいいじゃん。」っていうコンセプトらしい。
80〜90年代のJ-POPをごちゃ混ぜにしたような。何曲か聴くとB'zとかチャゲアスとかSMAPとか色々混ざってるんだけど。岡村ちゃんの要素が多い気がする。岡村靖幸が6割くらい。
そして、布袋モデルのギターでギターソロを弾くのだけど、その音が完全にBOOWY時代の布袋サウンドで、「Eジャン」という曲のイントロがまさにBOOWYの「BAD FEELING」なんだけど、よく聞くとフレーズは岡村靖幸の「いじわる」という。
これは世紀の大発見である。布袋のギターの音で岡村ちゃんの「いじわる」のフレーズがめっちゃ合う。ピンポイントすぎる。
そういうオマージュを発見するのが面白い。仕掛けがたくさんあるグループなのかもしれない。
このあと、今が旬の岡崎体育が18:20からduoではじまるのだけど、入場規制で入れなかったうえに、さらに入口に長蛇の列ができていた。
残念ながら見るのを諦めた。岡崎体育の人気おそるべし。
岡崎体育めっちゃ見たかった。
岡崎体育が見れなかったので晩御飯を食べに行った。ずっと立ちっぱなしだったので疲れた。休憩が必要だ。
近くにあったオシャレなカフェでピザを食べた。
O-EAST SUB STAGE
19:50〜
僕はラーメンズの大ファンなので、片桐さんだけでも見れて嬉しかった。歌にちなんだコントをやっていたので喋りの掛け合いが少なかったのが勿体なかったけど。もっと片桐さんの喋りが見たかった。これはたっぷりの時間でじっくりと見るべきグループだと思った。10分は短すぎた。
20:30〜
僕は泉谷しげるを舐めていた。
まず、一曲目がはじまってすぐに、「手拍子すんじゃねえ!黙って聴け!」と客を一喝。からの「春夏秋冬」という。
のっけからやられた。感動してちょっと泣きそうになった。普通なら客に怒鳴ったら空気悪くなりますよ。かなりハードルを上げてるわけですよ。静まった中で力技でねじ伏せられた。それだけ歌に説得力があるってことなんだと思った。
1曲やって「もう帰っていいか?帰るぞ。」と帰ろうとして、客席から「金返せーー!!」と野次が飛び、「なんだこの野郎!!」というMCのあと、
2曲目がはじまり、
サビのいいところで、「3、2、1〜」とジャンプしたいらしく、
「おい!お前らなんで飛ばねえんだよ!!」と、中断。
さっきは手拍子するなって言ったのに。
で、やり直しするんだけど、みんな上手く飛べない。
「おい!お前らいい加減にしろよ。リズム感ねえのはしょうがねえよ。なんとなく飛べばいいんだよ!」
で、次は上手く決まった。泉谷ちょっと嬉しそう。
また同じようなフレーズがきて、ジャンプがまばらになる。完全に油断してた。
「おい!!」
という、やりとりを何度も繰り返し、「この調子でこの曲だけで30分やるからな、覚悟しとけよ」
「お前ら、もう連続で飛び続けろ。」「30回飛び続けたら、俺は腕立て伏せやってやるよ。」と言い、横にいたスタッフに「おい、お前がギター弾け」とスタッフにギターを弾かせる。
腕立て伏せをやると聞き、みんな真剣になった。やってもらおうじゃねえか。腕立て伏せ、本当にやれよな。
で、本当に腕立て伏せをやった。
客がみんなジャンプをするなか、ステージの上で腕立て伏せをする泉谷しげる(68)。シュールすぎる展開になった。あの常軌を逸した盛り上がりはなんだったのか。ジャンプしながら腕立て伏せしてるジジイに歓声をあげる群衆達という絵面がとにかくカオスすぎた。
泉谷はヘロヘロになりながら今度は客に寄ってきて、半分ダイブするような体勢で、「お前ら!写真撮っていいぞ!そして、ネットにUPしろ!いい感じに撮れよ!」
と、いうので、みんな嬉々としてスマホで撮りまくる撮影会がはじまった。
煽るのが上手すぎる。客の心を鷲掴みにし、全部もってかれた。泉谷しげるで会場の心が一つになった。圧巻だった。
とても、68歳とは思えない。
21:30〜
そして、最後は、このイベントの主催者であるやついいちろうと、いとうせいこうと、Charisma.comのいつかによるユニットで締め。
いとうせいこうのラップが聴けて嬉しかった。日本のラッパーのパイオニアは、立ってるだけで存在感があり、ずっとせいこうさんを目で追った。一曲をやるためだけにいとうせいこうを呼ぶ贅沢さ。このイベントはいろんな意味で豪華すぎる。
そして、昼間、水曜日のカンパネラで使っていた風船にやついいちろうが入ってダイブした写真を貼っておきます。これも「写真撮っていいよ!」って言ってくれたので。
面白いイベントだった。とにかくやついいちろうの好感度がだだ上がりだった。
また来年もやるってさ!