岡村靖幸 2017 SPRINGツアー「ROMANCE」@千葉県文化会館 2017.6.10

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岡村靖幸のライブに行ってきた。

場所は千葉県文化会館というホール。最寄駅は本千葉駅。東京から電車で片道1時間半の小遠征であった。

 

千葉県文化会館ははじめて行ったのだけど、普段はクラシックのコンサートとかやってそうな雰囲気の縦長のホールだった。キャパは1800人くらいらしい。全席指定席で、僕の席は前から9列目という、結構前のほうというとても良い席であった。17:30開場、18:00開演。

 

客層は8:2の割合くらいでほぼ女性。岡村ちゃんはざっくり言うとアイドルである。彼のライヴはファンの間では、ライブでもコンサートでもなくデート(DATE)と称されている。みんな岡村ちゃんとDATEをしにこの会場に待ち合わせに来ているのである。なのでみんなときめいたキラキラした顔で岡村ちゃんが来るのを待っているという。そんな空気感の会場。

 

開演前はステージが薄い紫の幕で覆われていた。18:00に照明が暗転し、ステージの幕の後ろに岡村ちゃんのシルエットが映り、「千葉ベイベ…」という第一声とともに幕がサッと開くと、黄色い歓声が会場を包んだ。

 

「千葉ベイベ」というのは、ベイベ=ファンの愛称で、地方公演のときはその土地のゆかりの名前が頭につくのである。ちなみにフジロックのときはフジロックベイベ。

この日は特に「チバ」というフレーズがお気に召したのか「チバ」を連呼しておられた。よく外タレが「トウキョー!」と煽るあの感じね。いや、外タレでもあんなには言わんよ。「チバいくよ!」「チバ一緒に歌って!」「チバチバチバチバァァ〜!!」「チバ!」よっぽどチバってフレーズ気に入ったのかな。爆発音だしね。言いたくなるよね。

それにしても、普段「ヘイ!」「カモッ!」とか言いながら決めポーズでビシッとするようなところとかもカッコよく「チバッ!」って言っててシュールだった。

 

そして、岡村ちゃんは終始ご機嫌で、投げキッスもいつもより多めだった気がした。岡村ちゃんの一挙手一投足にみんな「カワイイ」と反応する。メガネをサッと外したり、ネクタイを緩めるだけで会場が湧く。それはもうパフォーマンスとして様式美になっているというか、岡村ちゃんもみんながそれを欲しがっているのを分かったうえで煽ってくるわけです。それにしても今日の岡村ちゃんはいつにも増してぶりっ子だった。

岡村ちゃんがステージの左から右へと移動すると、ファンはみんな岡村ちゃんからのレスが欲しいから手を振る。それが自然とウェーブになるのだけど、そのウェーブが起こる現象はまあよくある。アイドルの現場でもよくある光景だと思う。なんだけど、岡村ちゃんが左から右へとスキップのような動きで移動したとき、「か、かわいい…」というため息のような歓声がザワザワザワっと左から右にウェーブしたんですよ。声の音が波のように立体的にウェーブした瞬間がたしかにあって、それは今まで味わったことがなかった体験だったので驚いた。

 

ライブは安定のクオリティなので、ぐうの音もでない満足感。

今回は特にセトリが素晴らしかった。1曲目が「聖書」からはじまる新鮮さと、ラストの締めの定番だった「Out of Blue」を途中でやり「ビバナミダ」での締め。そして、ライヴ初披露の「ペンション」、その3点がサプライズだったと思う。

そして「ぶーしゃかLOOP」のアレンジがカッコいいなって思った。「ぶーしゃかLOOP」って曲、改めて聴くと凄い曲ですよね。岡村靖幸天才論を象徴する代表曲と言ってしまって大丈夫だと思う。この曲の凄みを今回改めて再確認させられたんだけど、この曲の原曲って限界まで音を削ぎ落としたミニマルな曲なので、アレンジ次第で変幻自在に印象が変わる曲なのかもしれない。今回、ゴリっとしたノイズ混じりの電子音がガッと決めで入った瞬間、鳥肌が立った。

 

 

そういえばこの人、東京音頭をゴリゴリのダブステップにするような人なんですよ。僕はあの東京音頭のアレンジには震えた。あれこそが岡村靖幸の真骨頂だと勝手に興奮したのを思い出した。

岡村ちゃんのライブって毎回曲をアレンジしてブラッシュアップしてくれるので、昔の曲も今のテイストにどんどん進化している。今回はどんなアレンジをしてくれるんだろうと、毎回それを楽しみにライヴに足を運んでいるのもひとつの楽しみでもあるのだ。

 

そして「いじわる」という曲があって、岡村ちゃんのカッコ良さとポップさと訳分かんなさが全部詰まってる1曲だと思う。この曲の最後に、「ワンタイム!」と煽ると、バックバンドが「ジャン!」と決め、「ツータイム!」と煽ると「ジャン!ジャン!」と決めて曲を終わらすカッコイイ終わり方があるんだけど、この日は、「ツータイム!」が永遠続いた。

「ツータイム!」「ジャン!ジャン!」「ツータイム!!」「ジャン!!ジャン!!」「ツータイム!!!!」「ジャン!!!!ジャン!!!!」「ツータイム!!!!!!」「ジャン!!!!!!ジャン!!!!!!」

どんどん煽りの間隔も短くなって畳み掛けてきた。それが異常に盛り上がった。なかば半狂乱のカオスだった。あれは凄かった、とにかくエモかった。

 

で、やっぱり「あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう」は何度聴いても上がる。そして何度聴いても泣ける。

「寂しくて悲しくてつらい事ばかりならば諦めてかまわない。大事な事はそんなんじゃない。」僕は毎回このフレーズで涙腺が緩む。明日からまた仕事頑張ろうって思うのである。

 

岡村ちゃんのDATE、楽しかった。また次回も楽しみにしてます。