サマソニを大阪と東京の2日間行った話@SUMMER SONIC 2016 8.20(sat) - 1日目大阪編
サマソニに行ってきた。大阪と東京の2日間。
初日は大阪。2日目は東京。初日は大阪のホテルで一泊。交通手段は両日とも新幹線。ハードなスケジュールだった。僕は東京在住なので、サマソニに行くなら素直に東京会場に行くのが普通だ。日帰りで帰れるし。なぜそんな無茶なことをしたかというと、「RADIOHEADを2日とも観たかったから。」
今年のサマソニにレディオヘッドが出るのが発表になったタイミングで僕はサマソニに行くことを決めた。レディオヘッドは1日目の土曜日は大阪、2日目の日曜日は東京のそれぞれのヘッドライナーという予定。ここで両日のタイムテーブルをご覧ください。
TIMETABLE - SUMMER SONIC 8.21 SUN | SUMMER SONIC 2016
サマーソニックというフェスは毎年8月の2日間、東京と大阪で同時開催される。つまり東京と大阪のタイムテーブルはほぼ一緒なのである。(東京のほうが多少ステージと出演者の数が多いけど)東京と大阪はほぼ同じ内容。東京と大阪をはしごして2回行く人なんてごく稀だと思う。奇怪な行動だ。だって遠いし。
それでもRADIOHEADを2日とも見ないと気が済まなかった。大阪ー東京の移動の時間で他の出演者がまともに見れなくても構わない。他をすべて蹴ってもいいのでレディオヘッドだけは…。
前置きが長くなった。初日の大阪のサマソニの感想を書きます。
7:30 起床
8:30くらいに東京の自宅を出た。
そういえば、台風が3個同時にせまっていたという天気予報だった。こんな天気図見たことない。天気がめっちゃ心配。もうここまできたらどうでもよくなった。思考が停止したので天候の事は考えないことにした。しかし、奇跡的に一滴も雨が降らなかったどころか、灼熱の快晴だった。いったいなにが起こっていたんだろうか。
9:30 新横浜 新幹線乗車
新横浜から新幹線に乗ったのが9:30頃。駅で崎陽軒のシウマイ弁当を買った。
実は僕はいままで崎陽軒のシウマイ弁当を食べたことがなかった。新幹線で崎陽軒のシウマイ弁当を食べるのに憧れていた。どうせ食べるなら旅先の新幹線で食べたいと思っていた。やっと念願が叶った。ご飯がもちもちして美味しかった。
11:30 新大阪到着
僕は大阪に来たのははじめてで、はじめての大阪に気負いがあった。新大阪の駅に着いた途端すれ違う人みんなが関西弁なことにテンションが上がった。エスカレーターは左に寄るのではなく右に寄るのかとか。僕は完全に浮き足立っていた。
では、会場への場所の地図をご覧ください。
新大阪から会場まではざっくり電車で30分くらい。会場は海に囲まれた埋立地なので、手前のコスモスクエア駅というところからシャトルバスに乗る必要があるらしい。
ひとまずコスモスクエア駅に向かうことにしたのだけど、その前に替えの靴下を買い忘れたので、ユニクロを探して靴下を買っていたら小一時間タイムロスした。
なんだかんだシャトルバス乗り場に到着したのは13:00頃だったと思う。
行きのシャトルバスは特に並ぶことなくすんなり乗車。(13:00っていう時間帯だから空いてたのかと)バスに乗って15分くらいで会場へ。
13:30 リストバンド交換所
シャトルバスを降りて、さらに10分くらい歩くとリストバンド交換所があり、若干行列ができていた。30分くらい並んでチケットとリストバンドを交換。
このリストバンドの交換、スタッフがやけに遅い。5人くらいいるんだけど全員一枚一枚を3項目くらいボールペンで丸をして慎重に確認していたのが行列の原因だと思う。他のフェスならだいたい5秒で交換しているので。
リストバンドを交換して、「やっときたぞ!サマソニ!!」という気分を味わおうと入口的なゲート的なところを探した。なにか象徴となる「SUMMER SONIC 2016」という看板的なものはどこにあるのだろうかと。だいたい人の流れについて行けばあるだろうと。
リストバンド交換所の横はフードエリアがあった。まだそんなに腹は減ってないからあとにしよう。
奥にすすむ。
看板ってこれかな…、いやこれは違うな。ライヴペイントかなんかだと思う。
なんかみんなこっちに向かって歩いてるのでついていく。
わりと広いスペースがあって、ここにもフードエリアがあった。
奥に海がある。すげーー海だーーー。
というか、ちょっと待って。
俺もう入ってる?
ここはもうサマソニ大阪の会場の中なの? もう会場入り?
来たという実感がないままサマーソニック大阪に来ていた。とりあえず一番大きなメインのステージを見に行こう。そこでRADIOHEADが演奏するのでまずは下見だ。
さらに奥へすすむと海へつづく道が。
海を横目にさらにすすむ。海があるのは嬉しい。潮風が気持ちがいい。
一番奥にオーシャンステージの入り口があった。ここがメインとなる一番大きなステージらしい。
ステージの手前に、フードスペースがあった。
ステージを見て、ようやくサマソニに来たという実感がわいた。ここまで長い道のりだった。東京からここまで、なんだかんだ6時間くらいかけて来たのだから。
ステージではすでにTWO DOOR CINEMA CLUBのライヴがはじまっていた。
14:30〜 OCEAN STAGE
このバンド、2010年のサマソニで観て以来。あれから6年も経ったのかと。
北アイルランドのバンドで、フランスのKitsunéというレーベルなんだけど、Kitsunéといえばエレクトロミュージック。(テイ・トウワとかデジタリズムとか)
ファッションブランドもやってるレーベルで、お洒落なイメージのレーベルだと思う。だからといってこのバンドがお洒落なのかどうかっていう先入観はひとまず置いといて、このバンドのいいところは音がめっちゃタイトなところ。きっとリバーブはゼロなんだろう。このカチッとしたグルーヴがたまらん。潔いグルーヴ。
オーシャンステージの奥にもちょっとだけ食べ物とドリンクが売っていた。
ハンバーガーとポテトを買って食べる。
もう今日はこの場所でいい気がする。オーシャンステージだけでいいや。
はじめて大阪のサマソニの会場に来たのでせっかくなので色々散策しようかと思ったけど、もう動くのがしんどい。一番奥に最初に来ちゃったので戻る気力がなかった。意外と会場の全体は広かった。結局この日は他のステージに一度も足を踏み入れなかった。そして、ずっと暑い。とにかく暑い。
15:50〜 OCEAN STAGE
僕はイエモンは高校生の頃大好きなバンドで、JAMという曲を聴いて衝撃を受けたし、バンドでコピーもした。僕は学生の頃まで北海道に住んでいて、2000年のライジングサンにイエモンが出るというので楽しみにしていた。僕にとってそれがはじめて行く野外フェスでもあった。しかし、イエモンは急病のためキャンセルと当日知らされ、その数年後に解散。ショックだった。
それから16年が経ちイエモンは復活した。こうしてイエモンのライヴが観れる日がくるなんて嬉しすぎる。
楽園という曲に「いつか僕らも大人になり老けてゆく」という歌詞が感慨深くてしみた。本人たちは見た目が当時から全く変わってないけど。サイボーグなんじゃないの?ってくらい変わってない。不思議な気分になった。変わらずにカッコイイままなのはすごい。
吉井さんがMCで「僕らは一度解散しましたが、またやらせてもらえてありがとうございます。僕らにはリベンジしなくてはいけないことがたくさんあります。」みたいなことを言ってて、僕はちょっとこっそり泣いた。そのあとのバラ色の日々からのラストはJAM。それはずるい。そりゃ泣くだろ。
17:20〜 OCEAN STAGE
RADIOHEADはフェスなどで、直前に出る出演者にうるさいらしい。
ちなみに2003年のサマソニのときはストロークス。2012年のフジロックはエルビス・コステロだった。
今回のサカナクションは「RADIOHEADが彼らを指名した。」らしい。サカナクションにとっては大抜擢だと思う。確かにいま現在の日本のバンドのなかで考えたらサカナクションが妥当であるのは納得だし、日本にもこんなカッコイイバンドがいるんだという誇らしい気持ちになった。
それ以上に彼らにとって相当なプレッシャーだったに違いない。
RADIOHEADに少しでもいいところを見て欲しいナー(チラッチラッ)という気持ちは多少なりともあった筈だ。だって、サカナクションもRADIOHEAD好きでしょ?
なんだろうこの、体育の時間に隣でバレーボールをしている女子の存在を気にしながらバスケでカッコイイところを見せたい男子の気持ちみたいな。
そういうときって大抵うまくいかないし、それ以前にまず女子は僕のことは見てない。
でも、サカナクションは違った。サカナクションはちゃんとカッコ良かった。僕はサカナクションのカッコイイところを見たよ。
でも、ちょっと音がちっちゃかった気がした。PAのせい?
19:00〜 OCEAN STAGE
いよいよRADIOHEAD。
サカナクションが終わった瞬間に人が波のように動き場所取り合戦がはじまった。一気に会場の空気がピリピリとした空気に変わった。転換中は無機質なエレクトロニカが流れていたんだけどそのBGMもカッコよかった。転換が押していて、15分くらいはじまるのが遅れていた。しびれを切らして催促の手拍子が起こった。「はやくでてこい!」
そして、会場の照明が暗転し、いよいよはじまって一発目の音を聞いて思った。
「あれ、音ちっちゃくない?」
やっぱ音がちいさい。やっぱりサカナクションのときも音が小さかった。なんならイエモンもツードアも小さかった。これはきっと会場の問題なんだと思う。明日、東京会場で全く同じものを見るので比較ができる。それは明日確認しようと思う。
音が小さい問題が引っかかってモヤモヤしたけど、
Pyramid songとExit Musicがこの日のサプライズだったかもしれない。特にPyramid songがはじまったとき後ろの外人が「ヒャッホーーーゥゥゥ!!!! ヒャアアアアア!!!!」と、イントロの間中、発狂していた。気持ちはわかるが「そういう曲じゃねーから!」
そして後半Everything in Its Right PlaceからのIdiotequeの繋がりがすごく良かった。いつもならEverything〜はライヴでは曲の終わりかたがパートが徐々に消えてゆくアレンジで、一人ずつステージからいなくなる演出がいつものパターンなので最後の締めにやることが多い。だからEverything〜がはじまると、「ああ、もう終わっちゃうのか…」といつも淋しい気持ちになるのだけど、今回はIdiotequeを繋げるアレンジになっていた。Idiotequeのイントロはテンションがあがるのでそのアレンジはすごく嬉しかった。
それにしてもこのバンドは毎回アレンジを常にブラッシュアップし続けている。過去の曲も最近のテイストに合わせていたりもする。最近は特にパーカッションのサポートメンバーが一人加わっているのでリズム隊がより複雑に厚みが増しているし、新作のアルバムがクリーントーンの美しさが強調されていて音の深みも増している。それが過去の曲にも反映されている。
そして、ジョニーのアルペジオがどんどん無に近づいている。なんだろうあれ、そよ風の音?「なんか今いい風が流れたな」みたいな。自然界の音に近づいている。そろそろこの音を世界遺産に登録してもいいと思う。
新しいアルバムがとても素晴らしかったので、今回のアレンジやらがどうなるのかが気になっていたけど、いつも想像を超えたものを叩きつけてくる。これだからレディオヘッドのライヴは毎回見逃せない。RADIOHEADは常に変化しているので毎回が一期一会なのだと思う。
そして2時間があっという間に終わり、サマーソニック大阪1日目が終わってしまった。
僕は明日(東京)もあるので、余韻に浸る暇もなく早めにホテルに帰って明日に備えなくてはいけないけれど、せっかくはじめて大阪に来たという名残惜しさもあった。
シャトルバス乗り場に戻ると、絶望的な長蛇の列が待っていた。
大阪駅周辺で予約していたホテルのチェックインは0:00まで。そのときの時間はまだ22時。会場から30分くらいの距離だし、まだ時間的に余裕だと思っていた。帰りにたこ焼き屋が開いてたらたこ焼きが食べたいなあとか考えていた。
しかし、列は1時間経ってもまだ半分も進まない。シャトルバスの数が圧倒的に少ないのだ。だんだん不穏な空気になる行列。周りの人たちが「どうする?タクシーで帰る?」「親に電話かけて車で向かえに来てもらう?」とか言ってうろたえだした。
「え?なに?地元の人も不安になる感じなの…?やばい状況なの?」
会場は海に囲まれていて、橋をわたらなくてはいけないのでバスか車じゃないと帰れない。列の後ろを見ると人がどんどん減ってゆく。みんなシャトルバスを諦めて別の方法で帰ろうとしているらしい。
すぐ近くの道路でも市営バスが数台止まっていて、そっちにも列ができていた。バスの運転手のおっちゃんがみんなを誘導していた。
「こっち乗れるで!210円用意してな!桜島まで行くよ!カードはあかんで!210円やで!できるだけ10円も用意してな!」
豪快な関西弁でみんなを誘導してるバスのおっさんカッコ良かった。
桜島という行き先がどこなのかよくわからないけど、これにかけるしかない。
では地図をご確認ください。
シャトルバスに乗ればコスモスクエア駅まで行ける。昼間来たときのルートである。
市営バスだと緑の線の桜島まで行くのだという。
「あれ?別にシャトルバスにこだわる必要なくない?」
市営バスの列に並ぶと、驚くほど早く乗れた。ものの5分。さっきまでシャトルバスに1時間並んでも半分まで列が進まなかったというのに。
というかサマソニ運営のスタッフの誘導が下手すぎ。この市営バス会社のおっさんのほうがよっぽど働いていたし頼りになった。
そして桜島駅の手前のユニバーサルシティという駅に着いて、そこから電車に乗って大阪駅に向かって思ったのが、コスモスクエア経由より、桜島経由のほうが圧倒的に大阪駅に行きやすいし近かった。
コスモスクエアのシャトルバスとはなんだったのかと。(しかも有料)
なんとか終電には間に合った。そして、ホテルにチェックインが遅れることを電話すると待ってくれるとのことで、ひとまず安心した。あぶなかった。知らない土地で一人で終電を逃すとか怖すぎる。
0:20分頃、大阪駅周辺に予約していたホテルに到着。無事にチェックイン。
ひとまず部屋で落ち着きたい。めっちゃ疲れた。
えっ、狭。
何帖なのこれ。狭すぎてびびった。独房?
まあ安いし。6000円だし。寝るだけだし。それにしてもホテル自体が古くて昭和テイストで味のあるホテルだった。
それにしても腹が減った。そういえば夕方食べたハンバーガー以来なにも食べてなかった。
ホテルのすぐ隣にたこ焼き屋がこんな時間まで開いていた。せっかく大阪に来たからたこ焼きが食べたかったのでちょうどよかった。
僕の泊まるホテルの周辺は風俗街っぽいギラギラした雰囲気。客引きのおっさんとキャバ嬢とチャラ男の視線が痛い。ボロボロに疲れ果てた僕はさぞかしこの街に浮いていただろう。
ベンチにおばちゃんとおっさんが酒を飲みながら談笑している。一見にはハードルが高いハードな店だ。物欲しそうな顔で店を覗き込むと、おっさんが「いらっしゃい」と。あ、おっさんのほうが店主か。おばちゃんは常連客なのか?
たこ焼きを注文すると1分も待たずに出てきた。さては作り置きだな?それをホテルに持ち帰り。ホテルの自動販売機で缶ビールを買って部屋に戻った。
そのたこ焼きが、感動するくらい美味かった。どうせ作り置きだろうと全然期待してなかっただけに不意打ちをくらった。大阪はたこ焼きが美味しいというのは本当だったんだと実感した。どうせなら駅前にある有名店とかのほうがいいのかとか思ってたけど、時間的に余裕がなかった。でもこういう店の方が地元の味なのかもしれない。はじめての大阪で本場のたこ焼きが食べてみたかったという目的も達成できて良かった。
そして、たこ焼きがだけじゃもの足りなくておかわりを買いに行った。
もう一度店に行くと、店は空っぽで、ベンチにはさっきのおばちゃんもいなくなっていて、かわりにチンピラみたいなチャラいお兄さんが座っていた。
たこ焼き屋の隣は風俗案内所で、その案内所のシャッターをたこ焼き屋のおっさんが閉めているところだった。あ、もしかしてこの店って風俗案内所も兼ねているのか?
おっさんが、僕に気づいて「また来たの?」って顔をした。
今度は焼きそばを頼んだらその場で焼いてくれた。ちょっと時間がかかっていたのでおっさんに「僕、東京から来たんですけど、たこ焼きが美味しかったのでおかわりに来ました。」と言うと、おっさんは少し照れた感じで「どうもおおきに」と笑ってた。さっきまでベンチに座っていたガラの悪そうなお兄さんはいつの間にかいなくなっていて、今度はキャバ嬢みたいなお姉さんが座っていて、「ソーメンちょうだい」とおっさんに言いながらタバコに火をつけていた。ソーメンとかもやってるのか。この店はこの周辺の憩いの場なんだろうなって思った。
きっと何十年もここでたこ焼きを焼いていて、この街のみんなのお父さんみたいな感じなのかなこのおっさん。
「ここは何年くらいやってるんです?」
「あ、4年です。」
「あっ、へえ〜」
4年か〜
そしてこの焼きそばも美味かった。麺が太めで濃い味付け。疲れた体にビールが溶けるようにしみる。大阪に来て良かった。大満足。
風呂に入って2時ごろ就寝。
明日は早めに起きて新幹線に乗って東京にトンボ帰りで、その足で東京のサマソニに行かねばならぬ。果たして明日体力がもつだろうか。
次の日につづく。