FUJI ROCK FESTIVAL 2017 7.28(Sat.) 2日目
フジロックに行ってきた。3日間。
1日目に引き続き、2日目です。
↓ 1日目はコチラ
FUJI ROCK FESTIVAL 2017 7.27(fri.) 1日目 - 音楽と映画のブログ
2日目は1日目よりもさらに雨がひどかった。本当に心が折れそうになったけど、乗り切った先にとんでもない充実感が待っていた。
では、2日目の僕の行動です。
起床:11:00
ちょっと寝すぎた。起きてテントから出ると外は雨が降っていた。雨が降っていたため気温が涼しく快適にぐっすりと眠れた。本当は11:00からグリーンステージでサンボマスターが見たかった。まあ仕方ないのんびり過ごそう。雨だし。無理は禁物だ。今日は夜に見たいものが重なりまくっていて忙しい。昼は温存するとしよう。
ひとまずご飯を食べよう。
今日は荒れる1日になりそうだという予感がしていたので、ガッツリと食べておいたほうが良いと思った。テントサイト内にある定食屋でタレカツ丼を食べる。新潟のカツ丼って卵でとじるのではなく甘辛いタレがかかったカツ丼が主流らしい。そういえばこのスタイル、以前群馬に旅行に行った時に食べた味と同じだった。
14:50〜のCoccoまでテントサイトでのんびりすることにした。この場所からグリーンステージまで歩いて約30分。14:00くらいまでなにもせずテントでダラダラした。
入り口が行列になっていた。雨が降ると動きが鈍くなる。今日は朝から全身雨具を完全フル装備で備えた。
Cocco、素晴らしかった。まず演奏が爆音で嬉しかった。ノイジーなギターがカッコいい。そしてCoccoの歌がエモすぎた。力強く魂を削って歌っているように見えた。雨の中で歌うRainingがやばい。こんなん泣くわ。たまに見せる笑顔にますます涙腺を刺激された。最近涙もろくなっている。Coccoのストイックに歌う姿に目が離せなかった。グリーンステージのあの広い環境で「強く儚い者たち」が聴けたのも嬉しかった。
このあと、レッドマーキーでnever young beachを見るつもりだったけど、思った以上に人が多く、雨も酷かったので諦めることにした。グリーンステージで待機。今日はもしかしたらずっとグリーンステージに居座るかも。雨が全然止まない。椅子に座っていると太ももに雨が溜まる。
never young beachを諦めるかわりにご飯を食べよう。
牛カツカレー。このカツがすごかった。牛肉なんだけど噛むと肉汁がジュワッと溢れて柔らかかった。(本当にジュワッって音が出た)めちゃくちゃ美味かった。
去年のフジロックに出演する予定だったがキャンセルになってしまい。今年はリベンジ出演とのこと。リベンジしてくれてありがとう。僕は彼らのファンになった。とてもカッコよかった。
THE AVALANCHES、メンバーは3人いて、1人がMCで、2人はサンプリングしたりギターを弾いたりで、あと女性のドラムとボーカルがサポートに加わっていた。サンプリングの音の作り方が面白い。音を切り貼りしてコラージュしているのに合わせて、スクリーンの映像もコラージュしていた。The WhoのMy Generationを切り刻んでいたりとか。クラッシュのGuns of Brixtonをカバーしていたり。元ネタを探すのが面白い。50年代のオールディーズから70年代のパンクまで、シニカルで最高のHIP-HOP。
さて、ここから、ちょっと忙しくなります。
まずはこちらのタイムテーブルをご覧ください。
このあと、グリーンステージでコーネリアス → ホワイトステージで小沢健二 → グリーンステージでエイフェックスツインと続く。3つともみたいのはやまやまだが、問題はグリーンステージとホワイトステージの距離感である。(ちなみに普通に歩いてグリーンとホワイトは15分くらい。)
ホワイトステージのキャパを考えるとおそらく小沢健二は入場規制になるだろう。そうなると早い時間からホワイトステージにいる必要がある。そうするとコーネリアスを犠牲にしないといけない。コーネリアスを全部見てからホワイトに移動するとホワイトステージに入れないのでオザケンを犠牲にしないといけない。つまりオザケンとコーネリアスを天秤にかけてどちらかを選択しろという局面である。
このタイムテーブルを考えたフジロック運営はなんて罪深いのだろうか。オザケンとコーネリアス、両方とも観たいに決まってる。グリーンとホワイトのちょうど中間に立ってたらフリッパーズギターになるんじゃね?とか冗談を言ってたけど、それももう笑えない。小山田圭吾は間違いなく現代のギターヒーローだ。ギターをまるでサンプラーのように扱う音の出し方は発明だと思う。僕は今後「好きなギタリストは誰?」ともし聞かれる機会があれば「小山田圭吾とジョニー・グリーンウッドです。」と即答することにしよう。
最後にカーテンコールのようにメンバーがお辞儀して終わったのを見届けてから、僕はホワイトステージに走った。あれ?結局オザケンも見るの?体が勝手に動いていた。ダメ元でいい。ここでホワイトステージに行かなければ絶対に後悔すると思った。
ホワイトステージに行く途中にところ天国という川があって、橋を渡らないといけないのだけど、案の定、橋は大渋滞になっていた。ところ天国で詰んだ。
オザケンを見たい人達で大混乱。ちょっとずつでもジリジリと進んだ。橋を渡る際、スタッフが「あぶないですから崖を登らないでください!!」とブチギレていた。もうどうすることもできない。気づいたら前にも後ろにも進めなくなった。
「あ、いかん。これグリーンステージにすら帰れなくなったらどうしよう。」
前に進むしかない。ちょっとずつ動いている。ようやく橋にさしかかったところで、ホワイトステージから大きな歓声とともに、オザケンの声が聞こえてきてなんかカウントダウンが聞こえてきた。「え?なに?はじまった??」とざわつくところ天国の橋。その次の瞬間「今夜はブギーバック」が聞こえてきた。
ぎゃーブギーバックきたーーーー!!
ところ天国の橋の上から聞こえる今夜はブギーバック。後ろからの圧縮が強くなり「痛い痛い!」「押さないで!!」と、橋の上は大パニックに。そしてヤケクソのように合唱が起こった。橋の上で。激アツな展開。
なんとかホワイトステージの入り口まで進んだ。「入場規制中」という看板がしっかりと立っていた。しかし人の波は収まらない。もう誰にも止められない状況。ようやくホワイトステージが肉眼で見えてきた。今夜はブギーバックに間に合った。僕はこんな形でも現場に立ち会えてよかった。この熱狂を体験しただけで満足だった。
しかし、ここからどうしよう。前にも後ろにも進めない。近くにいた女の子が「もうどうしたらいいのかわからない…」と泣いていた。その横でその子の連れの彼氏みたいな人が慰めていた。うん、わかるよ。俺もどうしたらいいかわかんないもん。
とりあえず、ブギーバックが聴けて満足したので、グリーンステージに戻りたい。正規ルートはどんどん人が押し寄せているので、横のボードウォークから出るしかない。
人をかきわけボードウォークに向かうと、なんか横にデカいコンテナのようなゴミ箱があるんだけど、そこの上によじ登ってゴミの上に避難している人とかいて、もうなにこれ、ウッドストックかって思った。すごいなって思った。これこそフェスだよ。怪我人とかでてもおかしくない状況だった。大丈夫だったのかな。
どうにかこうにか、無事にボードウォークにたどり着いて、グリーンステージに戻れる目処がたった。ボードウォークの森の中をグリーンステージに向かって歩いていると、後ろからラブリーが聴こえてきた。ラブリーを聴きながら夜の森を歩くという。最高のシチュエーションだった。
無事にホワイトステージから生還し、グリーンステージに戻ってこれた。エイフェックスツインにも間に合った。よかった。
かなり小さなステージで、集落のお祭りみたいな雰囲気で、みんな静かに座ってのんびり見るスタイルのステージなんだけど、普段なら。このときだけはスタンディングでパンパンだった。こんなに人が集まったピラミッドガーデンは初めて見た。
オザケンが出てきて、もう一人トランペットを持ったハットを被った人が隣にいた。すると周りの人たちがザワついた。
「え?コーネリアス?」「うそ?コーネリアスがいる!??」「うそうそ??まじまじ??」「え?小山田くん?え?え?」
みんな慌てて前に動きだした。自分もつられて前に。まさかコーネリアスが小沢健二のステージに??まさかフリッパーズギター再結成??まじかよ。事件じゃん。やべえ現場に立ち会ってしまった。興奮して鳥肌が立ったのだけど、横にいた人はコーネリアスじゃなかった。スカパラのトランペットのNARGOさんだった。
ちょっと遠くて顔まで見えなかったんだよね。ハット被ってたし、遠目からだと確かにちょっと雰囲気似てたよ。俺も騙されたよ。みんなちょっと落ち着こ。コーネリアスが来るわけないじゃん。
でもやっぱみんなちょっとは期待してたと思う。深夜のピラミッドガーデンってゆるい雰囲気だし。オザケンとコーネリアスのセッション。もしそんなことが起こったら大事件だと思う。でも僕は今日、コーネリアスと小沢健二と二人のステージを見て、フリッパーズギターの再結成を求めるのは野暮だなって思った。それは2人ともソロとして現役で活躍していて、それぞれの世界観で素晴らしい作品を作っているから。
小沢健二のピラミッドガーデンのステージは、アコースティックの弾き語りと、朗読があるという構成だった。その朗読が結構面白くて、「有給休暇の日本とアメリカの価値観の違いについて」とか「夏休みって休みなのになんで宿題があるの?」みたいなテーマで、ずっと聞いていたくなるようなお話だった。
弾き語りも「ぼくらが旅に出る理由」とか「ドアをノックするのは誰だ」とかやってくれて嬉しかった。オザケンの曲のなかでドアをノックするのは誰だが一番好きなんすよ。
とはいえ、疲労が限界なので、つづきはテントに戻って聞くことにした。というか、テントでのんびりしながらオザケンのライブが聴けるってすごい贅沢じゃない?という優越感に浸りたくて戻ったというのも少しあった。
オザケンのライブが終わって、ピザを買ってテントに持ち帰った。左がゴルゴンゾーラ、右がマルゲリータ。これが美味すぎて口から光がでた。特にゴルゴンゾーラが、チーズが濃厚で塩分が疲れた体にしみた。
そのピザを食べようとした絶妙のタイミングでピラミッドガーデンのステージからSILENT POETSの音が聞こえてきた。
日本人のエレクトロニカなんだけど、1994年にデビューして、2001年にフランスのレーベルからリリースしてたり、全米からもリリースしていて、ISSEY MIYAKEのパリコレの音楽を担当していたんですって。日本にこんなエレクトロニカの先人がいたなんて全然知らなかった。そんな音を聴きながらテントでダラダラするとか贅沢すぎ。永遠に朝になって欲しくないって本気で思った。
今日は大雨の中、最後までよく乗り切った。充実感に満ちた1日だった。
しかし、全身ズブ濡れ。防水の雨具を着ていたけど中まで水が染みていた。テントで干しておくけど、もし明日まで雨がやまずに雨具が乾いてなかくて明日も今日みたいな大雨だったら明日を乗り切れる自信がない。
ひとまず寝て、明日考えよう。
3:00頃就寝。
3日目、最終日につづく。