downy『砂上、燃ユ。残像』@渋谷WWW X 2018.3.19(mon)

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downyのワンマンに行ってきた。

この日はいつもと違うライブだった。

僕はこの日、風邪をひいており会社を早退した。しかし、どうしてもdownyのライブに行かなくてはいけなかった。這ってでも行こうという気持ちだった。

 

ギターの青木裕氏が、急性骨髄肉腫白血病という病気だと、今年の1月から発表しており、「今後downyの活動は続けますが、出演できないこともあるかもしれません。」と言っていた。

本人の体調を最優先し、出演できない場合は、事前に録音したギターの音を、マニピュレーターのSUNNOVA氏が青木裕のギターの音を代わりに出してくれると。

 

 

その後、downyは急遽ワンマンライヴを3/19に開催すると発表し、チケットは即日完売。

 

そして、ライヴ2日前にdownyから下記のお知らせが。

 

 

青木裕が不在のdownyははじめてだし、マニピュレーターのSUNNOVA氏が青木裕のギターの音をリアルタイムで流しているとはいえ、やっぱりいつもと全然違う。ギリギリの点で支えられているような緊張感で、なんかいつもよりも丁寧に慎重に、そして淡々と、静かに、重いグルーヴを刻んでいた。いつも以上にヒリヒリとした素晴らしいライヴだった。

僕はこのグルーヴも好きだ。だけどやっぱり青木裕のギターが恋しい。僕は2曲目以降、涙が止まらなかった。このときは自分でもなんで泣いているのかわからなかった。

「左の種」という曲で、初期のdownyを象徴するような曲なんだけど、最もシンプルでギターが映える曲。こんな緊張感のある左の種はいまだかつてあっただろうか。

ラストの曲の「猿の手柄」の前に、ボーカルの青木ロビンが「ここにいないことが本人が一番無念だと感じているはずです」と話をしていたとき、声が震えていた。

そして最後に、3/4のMORRIEのライヴのときに青木裕がソロを演奏している映像をスクリーンに流して終わった。「downyではないけど、最後にこれを見て帰ってください。」と。彼の鬼気迫る演奏を見て、なんか余計に淋しくなった。早く元気になって戻ってきてほしい。そのときはそう思っていた。

 

そして、その翌日に訃報が伝えられた。

 

 

なんか嫌な予感がしたんですよ。急すぎて心の整理ができなかった。

downyのメンバーはライヴの直前に訃報を知っていたらしい。それを知った上でライヴをやってくれた。僕はこの日のライブは一生忘れられない1日になったと思う。

 

青木裕のギターの音は青木裕にしか出せない音です。代わりが居ない唯一無二のギタリストだと思う。僕は青木さんのギターに憧れてたくさん影響を受けたけど、どうしてあんな音が出るのかいまだに分からないことがたくさんあって。だから何度も何度もdownyのライブに足を運びました。それでもまだ聴き足りない。「酩酊フリーク」と「アナーキーダンス」のシューゲイズ音はどうやってるのか分からないし、「葵」のブレイクの直前のノイズが発信したようにブォォオオ!!!!!ってなるのがどうやってるのかが分からない。ギターをかき鳴らしながら上から重ねるようにブォォオオ!!!!!って音をどうやったら出せるの?2人いるの?青木裕のプレイには不可解なことが多い。まだまだ聴き足りない。青木裕のギターが聴けなくなるのは悲しい。もっともっと青木さんのギターが聴きたかった。

 

あなたのギタープレイにたくさんの衝撃と影響を受けました。最もリスペクトしております。これからも。

 

ご冥福をお祈りします。