FUJI ROCK FESTIVAL 2018 7.28(Sat.) 2日目 - 圧巻だった台風とケンドリック・ラマー -

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7/28(土) 起床 9:00

フジロック2日目です。

1日目はこちら ↓

FUJI ROCK FESTIVAL 2018 7.27(fri.) 1日目 - 音楽と映画のブログ

 

朝起きると天気は曇りだった。雨は降っていない。台風は完全にそれたのかもしれない。良かった。むしろ涼しくて最高だ。と、思っていた。

このときは、まさか夜に大変なことになるなんて思ってもいなかった。「台風はそれた」と過信していた。雨具も上に羽織るものくらいでいいよねと、軽装で出かけてしまった。完全に油断していた。

 

この日は見たいものがたくさんある。ちょっと早く起きて、早めに会場に向かった。

 

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昼までは曇っていて、涼しくて最高の気候だった。

 

Green Stage 11:00〜

eastern youth

朝からイースタンユースの爆音の吉野さんのギターを聴いてガツンときた。脳天の奥からなにかがゾワゾワと走って、気がついたら僕はモッシュピットに走っていた。モッシュピットに近づくとドンシャリなギターの轟音がまるで滝のように上から降ってきた。グリーンステージのデッカいスピーカーから轟音が降り注ぐように流れていたのです。なんというスケール。大自然の脅威のような音だ。僕はイースタンユースの音楽を聴かなかったら今の僕は居なかった。僕の原点であり、青春のバンドです。

 

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インドカレーとナン。これ、すげえ美味しかった。野外で本格的なナンが食べられる幸せ。 このナンを買い求める客ですごい長蛇の列だった。インド人がテンパってて軽くキレてた。それくらい美味しかった。

 

Green Stage 12:50〜

The Birthday

やっぱチバユウスケはカッコいいよね。なんか歳をとってますます渋くなっていて痺れた。はじまってステージ袖から歩いてくる姿が貫禄がありすぎて震えた。マフィアのドンみたいだった。それにしても昨日からカッコイイ大人ばっか見てる。「涙がこぼれそう」という曲は何度聞いても涙が出そうになるのはなんでだろう。

 

White Stage 14:50〜

STARCRAWLER

スタークローラー、こいつらやばい。もしかして新しいロックスターが誕生したのか。女版イギーポップ。このボーカルの女の子がやばい。完全にいかれてる。本当に薬でもやってんじゃねえのかと。まるで殺人でも犯したかのような絶望した顔でステージに立ってるのが斬新。まさに狂気。サイコサスペンス。でもこの子、なにもしなければめちゃくちゃ可愛い。スーパーモデル並みのスレンダーなスタイルで、手足がめっちゃ長い。細い。立ってるだけで存在感が凄い。しかもまだ18歳なんですって。なにこのギャップ。あ、鳥居みゆきだ。このスタイルは鳥居みゆきだ。いやちょっとまって、そんな尺にはおさまりきれない。とにかくなにをしでかすか予測不能。もうずっとボーカルのアロウちゃんに釘付け。後半、血のりを口から出して、顔面血だらけみたいになりながら、ステージを降り、モッシュピットにウワーーってなってうなだれてて、まるでモッシュピットでもみくちゃになり大怪我をして血まみれになってるみたいな絵面になっていた。そしてそのままどっか行って終わった。10分くらい早く終わった。こいつは確信犯だ。瞬間瞬間を切り取ると大事件みたいになってる。そういうアートの表現にも感じた。凄えものを見た。

 

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血まみれのアロウちゃんが神々しかった。

 

RED MARQUEE 15:50〜

SUPERORGANISM

スーパーオーガニズム、実は一番楽しみにしていた。スタークローラーをホワイトステージで見終わって慌ててレッドマーキーに向かうと既にレッドマーキーは人で溢れいた。それでも無理やり中に入ると、ギュウギュウのパンパン。あまりの人の圧縮で3曲くらいで断念して外に出てしまった。スーパーオーガニズムの人気を舐めていた。もっとちゃんと見たかった。レッドマーキーでは狭すぎた。

宇多田ヒカルの「パクチーの曲」という曲をカバーしているのだけど、宇多田ヒカル本人がオファーしたと話題になっていた。このバンド、イギリスで活動しているんだけど、ボーカルは日本人でまだ十代なんですって。イギリス、日本、オーストラリア、ニュージーランド、韓国の多国籍のメンバー8人のバンドらしい。80-90年代のオルタナっぽい、ステレオラブとかパステルズとかヨ・ラ・テンゴとかみたいな感じの音楽なんだけど、絶妙なシュールな間があるリズムが中毒性が高い。センスが全振りされたバンド。単独で改めて見たい。

 

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スーパーオーガニズムがちゃんと見れなかったのがショックだったので、ちょっと休憩だ。ところ天国に行こう。

 

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ところ天国という、川辺で涼みながらラーメンを食べていたら、たまたますぐ近くでジャグリングのパフォーマーが パフォーマンスを始めて、何気なく見ながら食べてたら、「お客さんにお手伝いをしてもらいます。」ってなぜか僕が指名された。火のついた松明を3本、お手玉のようにジャグリングするので、そのうちの1本を投げ入れてほしいって。いや、ちょっとまって、怖い怖い。火をつける前の松明で練習をさせてもらう。こういう角度でこうやって投げてね。って教わって、言われたとおりやったけど、変な回転がかかって失敗した。え?わかんないわかんない。むずかしくない?

「練習は失敗したけど僕が頑張って受け取ります。では本番です!火をつけまーす!」

と、松明に火をつけられた。え?もう本番なの?練習短くない?え?え?

「3!」「2!」「1!」とカウントダウンに合わせて投げたらみごとにキャッチしてくれてジャグリングは成功した。ああ、良かった。成功してホッとした。こんな体験はじめて。楽しかった。こういう参加型ってガチでやってんすね。凄い。

ハートのバルーンアートをくれたので、近くにいた子供にあげたら喜んでくれた。良かった良かった。

 

White Stage 18:10〜

ユニコーン

ユニコーンもなにげに初出演なんすね。意外です。入場規制がかかるくらいホワイトステージはパンパンでしたよ。そりゃあみんな好きだもんね。ユニコーン。「大迷惑」とか「おかしな二人」とか「スターな男」とか往年の定番曲をやってくれて嬉しかった。でもなんといっても個人的に「ペケペケ」をやってくれたのには感動した。ああダメだユニコーンの曲を聴くと高校生の頃の甘酸っぱい青春がフラッシュバックしてしまう。まさか20年の時を経てこんなフジロックみたいな環境でユニコーンが観れるなんて当時は思ってもなかった。奥田民生は珍しくジャズマスターを使っていた。ジャズマスターってカッコイイよね。

 

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Green Stage 18:50〜

Skrillex

スクリレックス素晴らしかった。もうヘッドライナーでいいよ。このあとケンドリックラマーまで出てくるなんて、ヘッドライナーが2つあるみたいな感じだった。

 

なんかX JAPANYOSHIKIスクリレックスとコラボやるらしい。っていう情報を前日くらいに知って、正直困惑した。だって、スクリレックス楽しみだったんだもん。今までずっと観たくて、なかなか観れなくて、今回やっと観れるというのに。コラボとかより普通の状態のスクリレックスが見たかった。コラボってなんだろう。全然想像がつかない。そもそも合うのか?

と、不安になりながら見に行ったら、終盤の10分くらいだけだった。YOSHIKIのコラボ。最後一旦スクリレックスがはけて、アンコールみたいな感じではじまった。ピアノが搬入されて、ピアノのインストでYOSHIKIが出てきてEndless Rainを弾いて、なぜかスクリレックスがギターでセッションしていた。その後YOSHIKIはドラムを叩き、スクリレックスダブステップでコラボ。最後「サンキューフジロック!!!!!」ってYOSHIKIが5回くらい絶叫して終わった。いや、面白かったですよ。貴重なものを見た。

 

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そうこうしているうちに、雨がひどくなってきた。次はいよいよケンドリックラマーだ。その前にMGMTレッドマーキーでやっている。MGMT見たいけどそれどころじゃなかった。雨に耐えながらひたすらケンドリック・ラマーがはじまるのを待った。ケンドリック・ラマーのステージの転換があまり音を出してなくて、やけに静かだった気がする。余計になにかがはじまる期待が膨らんだ。転換が静かだったのでレッドマーキーからMGMTの音が漏れてくる。

「KIDS」がはじまったのがわかってMGMTが見たくてウズウズしたけど、もう一歩も動きたくなかった。椅子に座ってひたすら雨に耐えた。このグリーンステージにいる人はみんなそんな感じで静かに耐えている人が何万人もいた。その時点で異様な空気だった。

 

Green Stage 21:00〜

Kendrick Lamar

ケンドリックラマーは完璧だった。なんだこれは。一体なんだ。俺は今何を見ているんだろう。というか、雨が凄くてさ。雨と、風がもう。すごくて。え、ひょっとして台風きてんの?認めたくないけど台風きてるよね?でも、それでもケンドリックラマーが見たいんだよ。台風が来てんのに外で立ってライブ見てんだよ。そんな人が何万人も集まってんだ。正気じゃないよ。

そこまでしても見たい。というか見るしかない。ガン見だよ。酒飲んでウェーイとかやってる人なんか誰一人いない。もうそんな余裕無いから。だから尚更会場の一体感がすごかった。緊張感と集中力が半端なかった。ケンドリックラマーのステージはただでさえ緊張感のあるストイックでシリアスでスリリングなパフォーマンスなんだけど、それがこの過酷な環境でより際立っていたって感じ。凄かったまじで。

ライヴというか総合芸術というか。なんなんでしょうねこれは。そういえばビヨンセのライブを見たときも似たような衝撃を受けたのを思い出した。音はバンドセットの生演奏なんだけど、バンドは両サイドにいて、真ん中がぽっかり空いているところにケンドリック・ラマーが立っていて、後ろにデッカいスクリーンがあるので、視覚的に、ケンドリック・ラマーとVJの映像が際立っている感じ。VJの映像も凝っていてカッコ良かった。ああ、カッコ良かった。嵐に耐えて見て良かった。こんなの一生忘れらんない。

 

 

ケンドリックラマーを見終わって、余韻に浸る余裕もなく、テントに帰ることにした。雨と風がやばい。もう嵐だ。パンツの中まで濡れてずぶ濡れだ。風がやばいけどテントは大丈夫なのだろうか。

写真とか撮る余裕がなかったので、この壮絶な状況を写真で伝えられなくてもどかしい。もっと写真を記録しておけばよかった。そんな余裕なかった。

テントに戻るとテントが半壊していた。骨組みが外れていた。なんとか立て直し、濡れた服を着替え、テントに避難したけど、風がブオオオオって吹くたびにテントの骨組みが外れ、テントが崩れてくる、それを直す、崩れてくる、直す、の繰り返し。

過去10回くらい来ているけど、こんな過酷な環境ははじめて。

そういえばユニコーンの前に食べたラーメンからなにも食べてない。お腹すいた。喉がかわいた。食料と飲み物を買いに行きたいけどテントから出たくない。

意を決してピラミッドガーデンのフードエリアに行ってみると、ペットボトルの飲み物が売ってない。仕方なく入り口の売店まで歩いた。

売店では帰ろうとしている人たちで溢れていた。難民所のような殺伐とした雰囲気だ。みんなカップラーメンを食べていたのが羨ましくて、カップラーメンを買おうとレジに並んだら、お湯が切れているので20分待ちらしく諦めた。お湯ができた人から番号で呼ばれていた。こういうときってカップラーメンが異常に美味しそうに見えた。ペットボトルだけ購入。

 

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さっきのフードエリアに行ってガパオライスを買った。これをなんとかテントに持って帰ってこれた。良かった。まじで緊急事態だ。嵐の中テントの中で食べたガパオが死ぬほど美味かった。

 

 もう色々限界だったので、寝たいのだけど、寝れない。雨と風はますます強くなる。3時くらいに横になったけど、風が強くなるとテントの骨組みが崩れる。それを直す。という繰り返しが朝方まで続き、寝れなかった。明日は夕方までゆっくりしよう。

疲れすぎていつの間にか寝ていた。

 

3日目に続く。