FUJI ROCK FESTIVAL 2018 7.29(Sun.) 3日目 - 最高の温泉とボブ・ディラン -
フジロック3日目です。
昨夜の台風がやばくて全然寝れなかった。
朝方もまだ雨と風が強い。3日目も雨だったら嫌だなあ。
1日目
FUJI ROCK FESTIVAL 2018 7.27(fri.) 1日目 - 音楽と映画のブログ
2日目
FUJI ROCK FESTIVAL 2018 7.28(Sat.) 2日目 - 圧巻だった台風とケンドリック・ラマー - - 音楽と映画のブログ
昨日のダメージが相当だったのでなかなか起き上がれなかった。雨と風でテントから出たくない。ピラミッドガーデンのステージでは毎朝9:00からヨガをやっている。ステージの上から外人のインストラクターがヨガを教えるという内容である。いま、ゲリラ豪雨のように強い雨が降っているのだけど、なんかヨガやってるっぽい。外人のインストラクターが片言の日本語で「ガンバッテクダサイ!」「大地ヲカンジテ!」ってマイクで言ってるのが聞こえてきて笑った。こんな天気の日にヨガやってる客もどうかしてる。
そういえば昨夜の台風がピークのとき、外で映画を見てる人もいたというツイートを見かけた。
この雨の中「男はつらいよ」見てる人いるんだけどバカなのかな。みんな抱きしめたい。 pic.twitter.com/mmJJltfRZ4
— retrospective (@retrospective) July 28, 2018
こんな台風がやばいのにそんな状況でも楽しもうとしている人を見ると愛おしくなる。
僕はもう色々限界だったので、今日はのんびりすることにした。
テントでダラダラしてたら、永積タカシの歌声が聞こえてきた。どうやらピラミッドガーデンのステージで永積タカシが歌っているようだ。タイムテーブルの予定には書いてないのに。ハナレグミの「音タイム」を歌っていた。ピラミッドガーデンは結構ユルいステージで、急遽飛び入りゲストが出演することは多々ある。永積タカシの出現率もかなり多い。しかし今回は完全に転換の時間だった。粋な計らいだと思ったし、「音タイム」がなんて朝にピッタリな曲なんだろうかと。昨夜の台風と今朝の雨と風で気が滅入っていたけど歌を聴いて元気をもらった気分になった。「外に出よう」という気持ちになったんですよ。ほんとに。
さて、昼間っから温泉に行って色々とリセットしよう。今日は最悪ボブ・ディランさえ見れればいい。という極端なプランに変更。
苗場周辺にある日帰り温泉に行った。温泉が死ぬほど気持ち良くて、風呂上がりのコーヒー牛乳が美味すぎて、もう社会復帰できないかも。
食堂で牛丼を食べる。家庭の味の牛丼。何も言ってないのにかなりつゆだく。きゅうりの漬物の塩分が体にしみた。
温泉からあがると天気は晴れていた。良かった。これで最終日も乗り切れる。
夕方くらいまでダラダラして、16:00くらいにようやく入場。
Green Stage 16:50〜
風呂上がりにジャック・ジョンソン。しかも天気が良い。最高に気持ちが良すぎる。豪遊しすぎて罪悪感が半端ない。そういえば、4年前はヘッドライナーだったジャックジョンソン。そのときは雨が降っていて寒かった。僕は寒さに震えながら体育座りでボロボロになりながら見たのを思い出した。そのときとは真逆の環境だ。チルアウトのリベンジである。こういう音楽はやっぱ晴れが似合う。気持ちに余裕がないと楽しめない音楽なんだなって改めて思った。
次はいよいよボブ・ディランだ。それにしても今日は人が多い。ボブ・ディラン効果なのだろうか? 出来れば観やすい位置をキープしたい。ジャックジョンソンの時点で、椅子の置き場が無いくらいだった。もうちょっとだけ観やすい快適な場所を探った。ボブ・ディランを座って優雅に見るという贅沢を味わいたかった。ちょうど人が移動するのを見計らってちょうどいい場所をキープできた。あとはもう今日はこのままで良い。
Green Stage 18:50〜
BOB DYLAN & HIS BAND
いよいよ、念願のボブ・ディラン。時間ピッタリにはじまった。この日のボブディランはヘッドライナーなので本来なら21:00からのはずが、タイムテーブルがなぜかVAMPIRE WEEKENDと入れ替わっていた。高齢だからかな…。もう77歳だしね。ステージに出てくるときもさりげなく出てきて、さりげなく始まった。
僕はいまボブ・ディランのライヴを見ている。実感がわかなかった。僕にとっては歴史上の偉人くらいの印象なんですよ。ジミヘンとかと同じ存在っていうより、もっとエジソンとかライト兄弟みたいな、教科書に載ってそうな偉人レベル。だから、かなり気負っていた。肉眼で見れて感動した。教科書に載るレベルの偉人にはもうなってるとは思うけど。ノーベル文学賞貰ってるし。
ボブディランといえば、「Like a Rolling Stone」とか、「Blowin' in the Wind」「Mr. Tambourine Man」「Knockin' on Heaven's Door」「Subterranean Homesick Blues」など、名曲がいっぱいある。数多くのミュージシャンにカバーされて、これってボブディランの曲だったの?っていう曲がたくさんある。後世のミュージシャンに影響を与えた存在である。なかでも僕は忌野清志郎もカバーした「I Shall Be Released」という曲が特に好き。
しかし、最近のボブディランはそういった過去の多くの名曲を、やることはやるのだが、アレンジをしまくって崩しまくり、曲の原型が無く、熱心なファンですら何の曲か分からないくらいだという。
いや、とはいえさすがに「Like a Rolling Stone」とかは聴けば分かるでしょ。「Like a Rolling Stone」で大歓声があがるんだろうなー、楽しみだなー。
結論から言うと「Like a Rolling Stone」はやってません。ラストに「Blowin' in the Wind」をやったらしいけど僕は気付けなかった。かろうじて「Mr. Tambourine Man」がかすかに分かったくらい。ひょっとして、たぶん、この曲は、「Mr. Tambourine Man」なの…かな…?「ヘイ、ミスタータンブリンマン」というフレーズはかろうじて聞き取れた。というレベル。
いや、あのですね、昔みたいなフォークな感じじゃなくて、JAZZみたいなアレンジのバンドで、さらにボブディランは朗読みたいに歌ってるんですよ。ポエトリーリーディングみたいな。しかも声がめっちゃしゃがれてる。そしてそれが全部一緒に聞こえるんです。これは難易度高すぎです。前情報でその噂は聞いてはいたけど、ここまで分からないとは思わなかった。
せめて「Like a Rolling Stone」は聴きたかった。しかし、この曲はいまや滅多に披露しなくなっているらしい。名曲なのに勿体無い。
ボブディランって初期のころはフォークソングを歌って人気が出て、アイドル的存在だったのだけど、途中からロックをはじめたら、裏切り者扱いされて、ライブ中ブーイングが起こったりで当時メチャメチャ批難されたんですって。当時まだロックが理解されにくい時代だったみたい。それに対する反抗心でロックをやっていたっていうのもあるのかもしれない。その転機となった曲が「Like a Rolling Stone」だったらしい。この曲は歴史に残る名曲だと思うんです。当時ビートルズのポール・マッカートニーが名曲すぎて嫉妬したらしい。
もしかしたら、ボブ・ディランはその時代からなにも変わってなくて、「ロックはいいから昔みたいなフォークをやれ!」っていう期待になんて当然答えないだろうし、だから「Like a Rolling Stone」もやってくれないのかもしれない。だからこそ尚更聴きたかったけど。
最後メンバーがカーテンコールのように横並びになって終わった。唐突に照明が真っ暗になったので「え?終わり?終わったの?「Like a Rolling Stone」は??」という感じで。アンコールの拍手が起こったが照明が客席を照らし「もう終わりだよ」感を出していた。「まだやってねえ曲があるだろ!!」というオッサンの悲痛な叫び声が聞こえてきた。それも含めてボブディランのステージを観たという実感。
ボブ・ディラン素晴らしかったです。本当に見れて良かった。
このあと、レッドマーキーでDIRTY PROJECTORSがはじまる。DIRTY PROJECTORSも楽しみにしていたので、見に行きたいところだが、ボブディラン終わりでの人の移動が凄いことになっている。渋滞。無理やりレッドマーキーに行ったところできっと中にも入れないだろう。ここは諦めよう。苦渋の選択。トイレに行って、ご飯を食べよう。
とはいえ、オアシスも凄い人だろう。みんなもどうせボブディラン終わってご飯食べたいよね。考えることはみんな一緒である。ちょっと遠いけど場外のフードエリアに行くことにした。腹が減ってしかたない。
ステーキ丼(肉ダブル)。肉がボリュームがあって柔らかくて美味しかった。大満足。
Green Stage 21:20〜
VAMPIRE WEEKEND
2010年のグリーンステージ以来、8年ぶりに観るヴァンパイアウィークエンド、ボブディランと時間帯が入れ替わって、まるでヴァンパイアウィークエンドがヘッドライナーかのようなレアな状況だったけど、最高にカッコ良かった。むしろヴァンパイアウィークエンドで良かった。USインディーズの最後の希望。好感度しかねえ。彼らのストイックでタイトなグルーヴが好きです。
途中でHAIMというバンドのボーカルのダニエル・ハイムがゲストで出てきて、Thin Lizzyというバンドの曲をカバーしたりしてました。ダニエル・ハイム可愛かった。
このあと、グリーンステージではクローズアクトとしてG&G Miller Orchestraという故グレン・ミラーの曲をJAZZのビックバンドで演奏するという。それで締めくくるのが2年前から恒例になっているんですが、
G&G Miller Orchestraの後ろ髪を引かれながら、CHAIを見にレッドマーキーへ。
RED MARQUEE 00:00〜
優勝。
なにこれ、凄い。完全に仕上がっていた。完成しすぎじゃないすか?
このバンド、去年ROOKIE A GO-GOに出演したなかから、一般投票で選ばれた枠での出演らしい。いや、もう最近めちゃくちゃ売れてるらしいですよ。
なんかね、キャラ立ちしすぎ。しかもフロントの一番キャラが立ってるボーカルとギターが双子という。はじまるとき4人がステージ袖から小走りでワーって出てきた瞬間から可愛かった。なんか背がみんなちっちゃくてちょこまかしてるのが可愛い。彼女たちは「NEOかわいい」という新しい概念を掲げているようだ。もしかしたら可愛いってことに対して一番よくわかってるのは彼女たちなのかもしれない。「かわいいってなんだっけ…。」僕のなかの価値観が崩壊してしまいそう。
しかも、演奏スキルが相当高い。よくもまあこんな4人が集まったもんだと。ガールズバンドはただでさえ貴重だというのに。奇跡のようなバンドなんじゃないすかねえ。
今年の僕のフジロックはCHAIで締めることにした。いい締めくくりである。
オアシスでグリーンカレーを食べる。このグリーンカレーは毎年美味しい。辛い。うまい。
ゲートを出る前に、毎年恒例の「SEE YOU」の看板。これを見るたびに「ああ今年もフジロックが終わってしまう」と寂しい気持ちになるが、来年もまた来るぞ!という気持ちにもなる。
テントに帰り、2時くらいに就寝。
寝るのが名残惜しかった。
翌朝はめっちゃ晴れた。テントを大急ぎで撤収してヤマト便で配送の手続きをしてシャトルバスへ。暑い。
シャトルバスの行列に並ぶ。今年は例年よりも比較的列が早く動いた。シャトルバスの回転が早かった印象。暑い。
越後湯沢で蕎麦を食べた。新潟名物のへぎ蕎麦。これがコシがあってツルツルでかなり美味い。毎年これを食べないと気が済まない体になってしまった。そして天ぷらも衣が極薄のサクッサクのパリッパリでめちゃくちゃ美味い。
越後湯沢駅でおみやげを買って新幹線で東京に帰りました。たしか家に着いたのは17:30頃だった気がする。
今年もフジロック楽しかった。途中台風は大変だったけど。結果最高に楽しかった。
また来年も行きたいです。ありがとうございました。