Maison book girl「Solitude HOTEL ∞F」@ LINE CUBE SHIBUYA

メゾンブックガールのワンマンライブ、 Solitude HOTEL ∞Fを見に行ってきた。 場所はLINE CUBE SHIBUYA。元々は渋谷公会堂の場所が名前が変わったらしい。たしか前はCCレモンホールって名前だった気がするけど、いつの間にまた変わったんだ。何気に渋谷公会堂って入ったのは今回がはじめて。内装がすごいキレイ。名前が新しくなったので改装したのだろうか。前の雰囲気を知らないのが悔やまれる。そして会場が広い。立派な座席があって、コンサートホールというイメージ。キャパは2000人くらいでしょうか。

今回のMaison book girlの「Solitude HOTEL ∞F」というワンマンライブは、今回が8回目なので、8Fということらしい。（8が横になって∞になっていた。）

このSolitude HOTELシリーズは、毎回趣向を凝らした内容となっており、今回はどんな仕掛けがあるのだろうと毎回楽しみなんです。過去には、ライブの途中で曲をぶつ切りで中断したあとオープニングからリピートして時間が戻ったみたいな演出があったり、不穏なノイズで場面を転換したり、スモークをいっぱい炊いて会場を白い煙で覆ったり。演出が凝っているんです。

今回のハイライトは、終盤、ラスト2曲目の「bathroom」という曲

この曲、初期の頃は、ライブのオープニングの1曲目に披露することが多かった曲で、変拍子のクラップから始まり、「変拍子のエレクトロニカのアイドル」という彼女たちの音楽性を説明しやすい代表曲でもあったと思う。僕はこの曲が好きだし、変拍子に対して耐性があるというか、そういうエレクトロニカなどの音楽を聴く際に、あえて4拍子でリズムを刻んで、どんな変拍子も４拍子をひたすら刻んでいたらいつかどこかで合う瞬間があるんです。その瞬間が気持ちいい。みたいに楽しむ癖があるんですけど。そうやって足で拍を刻んでいたら、どうしてもズレる。なんかおかしい。なんかリズムがゆっくりに感じる。もしかして変拍子が気持ちよすぎてトリップしたのかと思ったんです。リズムの向こう側の世界に行ってしまったのかと。いや、実際にテンポが徐々にスローになっていた。それに気づいたときには、曲がどんどん崩壊していた。伸びたテープで再生したように曲も歌もグワーーーンと歪んで終わった。

世の中には色んなトリップ音楽ってあるけど、こんなの見たことない。トリップ音楽にそこまで詳しいわけではないけど、ライブでこんな体験したのは初めてだし聞いたこともない。なんて斬新な表現なんだろうと感動した。これは本当にすごいって思った。音源とかならこういう手法はいくらでもあると思うんですけど、ライヴで聴き慣れた曲をこんな風にアレンジをするという表現が斬新だなって。

あと、印象的だったのは、「karma」という曲で、

この曲も初期の代表曲で、ファンには馴染みがある曲なんですが、今日のkarmaはいつもと様子が違った。僕はてっきり、「あ、ダンスの振り付けを変えたのか。」と。ダンスの振りが新しくなるだけで随分印象が変わるもんだなー。くらいにしか思ってなかったんです。しかし、終わってからファンの人のTwitterの感想で気がついたんですけど、ダンスだけじゃなくて、歌詞も変わっていた。「cloudy irony」という曲の歌詞とダンスになっていたらしい。全く違う曲の歌詞とダンスに差し変わっていたんですよ。2曲が混ざっていたってことです。どうやってアレンジして、どうやって合わせたんだ？全然違和感が無かった。そんなことが可能なのか？？ちょっともう一回見て確認したい。映像化はよ。サクライさん、今回のライヴはもちろん円盤化しますよね？

ちなみに「cloudy irony」は下記。

あと、僕はブクガのライヴを見るたびに毎回言っているんですけど、「rooms_」のブレイクがカッコいい。

「rooms_」という曲があって、この途中で無音になるブレイクが何箇所かあるんですけど、その無音になる瞬間が毎回鳥肌が立つんです。このブレイクで音が消える瞬間、会場全体が暗転するんです。この曲は会場が大きければ大きいほど映えると思う。過去にさいたまスーパーアリーナでビバラポップに出演した際に披露したrooms_が忘れられない。さいたまスーパーアリーナほどのバカデカイ会場が真っ暗になって無音になるのが気持ちよすぎたんです。でも今回の渋谷公会堂は最高にカッコよかった。もっともっと色々な会場でrooms_を見たい。何度見ても新鮮にカッコ良いと思うので。

そして、新曲がいいんですよ。例えば「ランドリー」という曲。

最近、ちょっと方向性がお洒落になったと思うんです。いままでのブクガって正直言って大体暗いんです。僕はその暗さが好きなんですけどね。暗いから好きなんですけど。でも、暗い一辺倒では限界があると思っていて、どこかでPOPにならないといけない。光があるから影が引き立つもので。だからといって急に明るくなっても困る。このくらいの明るさが絶妙だ。しかし、メロはどこか切ない、メロの切なさだけは死守してほしい。鳴っていてほしいところに切ないメロが鳴ってくれる。かゆいところに手が届く切なさ。裏メロが切ないんですよねー。

4月にベストアルバムが発売するんですって。楽しみですね。

今日はとても楽しかったです。素敵なステージでした。ありがとうございました。