Maison book girl「Solitude HOTEL」@舞浜アンフィシアター

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2021年5月30日。Maison book girlが活動を終了したらしい。

今日、最後となるライブに行ってきたのだが、全然実感がわかない。だって「私たち解散します」とか言われてないし…。なんて潔い終わり方なんだと。こんな解散のしかた聞いたことないすよ。普通言うじゃん?解散するとかめっちゃ言いたいじゃん?解散ライブとか事前にめっちゃ告知したいじゃん?「私たち解散するから最後のライブ来てください。」って言ったほうが人集まるじゃん?俺だったら言いたくてたまらんと思う。自分達が解散することをみんなに知ってもらいたいと思う。

ほんとうになんにも言わずに終わった。

 

それが解散ライブとも言わず、ライブ中も一言もなく。終わってから配布された紙に書いてあるURLで、公式HPが削除されていることで活動が終わりだということが分かるという。

https://www.maisonbookgirl.com

 

ライブを見に行ったオタク達は、ライブが終わったあとに解散だったと知るんですよ。全ドルオタの皆さん、想像できますか?推しグループのそんな終わり方。

いや、ロックバンドでもこんな潔い終わり方聞いたことねえわ。

ちょっとカッコよすぎじゃないすか?こんなカッコいい解散ライブ他にあるかよ。

 

前兆はもちろんありましたけどね。ちょっと前から公式HPが崩壊していた。

ライブ以外の情報が文字化けしていたり、ほとんどのページが「404 Not Found」とかになってて、メンバーの写真も塗りつぶされていたり、今日のライブまで、カウントダウンの時間が表示されていたし、公式のTwitterInstagramも過去の投稿がすべて消えていた。

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さすがになんかあるんだろうなーと思ってた。薄々解散するのかなとは思っていたので、多少覚悟はしていたけど、やっぱ辛いです。

 

最後のライブ、すごかったんですよ。

ビックリする演出があって、鳥肌立っちゃった。

ちょっとなにから説明したらいいのか…

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まず、今回の会場は舞浜アンフィシアターという場所でした。ディズニーランドの真横にある、デカくて綺麗な会場でした。半円形のステージにすり鉢状に囲むように客席がある、どこからでもステージが見渡せるとても眺めのよいロケーションでした。普段はシルク・ドゥ・ソレイユとかディズニーの舞台などのイベントに使われている会場らしい。キャパは2000人くらい入りそう。

 

開演前、SEがアンビエントなピアノが流れてて、優雅な雰囲気でしたが、そのSEが途中で急にバスッと途切れて真っ暗に暗転して始まるんです。始まり方がまず切れ味があるなって。ビクってなった。あれはホラー映画の手法ですよ。

そんで、暗いままメンバーが袖から現れて、暗いまま始まるんです。照明もほぼシルエット。たまに真横からの照明を左右に細かく振ってシルエットが残像みたいに見える光の演出とかあって、こういうあえて姿をはっきり見せずにシルエットで遊ぶ演出はいままでよくやっていたので、なんの違和感もなくただカッコいいなーと思って見ていたんです。Rooms_という曲とか特に暗い照明が映える。背景のバカデカいスクリーンに流れるVJをバックにほとんどシルエットに、ノイズ混じりのVJがメンバーのシルエットに重なって見えるので、きっと薄い幕が前にあって、その後ろにメンバーがいるんだろうなと。

そして何曲かやったあと、メンバーが普通にMCを始めたんです。こんなタイミングでMCを普通に始めるとか珍しいなあって思ったんですよ。で、普通に喋ってるとき、背景のバカデカいスクリーンが一瞬だけノイズがザザッとなったんです。本当に一瞬のノイズ。「ザッ!」って。そのときに、メンバーの4人の姿までノイズがはしったように見えたんです。目の錯覚かなって。

そのとき僕はこんな妄想をしたんです。実はこの4人は実在してないアンドロイドかなにかで、画面の中のバーチャルな存在だったとしたら。機械が壊れてしまって「ミンナ…サヨウナラ…」とノイズ混じりに消えてしまったら悲しいなあって、そんなSF映画みたいな妄想をしていたんです。

 

「では、次の曲はcloudy irony〜」

ライブが再開した。cloudy ironyと言ったのになぜかkarumaが流れて、そのkarumaもいつのまにか途中からriverに変わって、スクリーンのVJがどんどんモザイクのようなノイズが砂嵐のように覆われて、メンバーの姿がかき消されていって、そこでようやく僕は気づいたんです。

あれ…これ映像だ…

 

えっ、いつから??いつから映像なの?最初から映像だった?まさかさっきのMCも映像だった???

 

その次の瞬間、ブクガの4人は中央の円形ステージのど真ん中に寝そべっていた。スモークとともにいつの間にか4人がステージの真ん中いたのを発見したときマジで鳥肌が立った。

本当にやられた。本当に騙された。いままでブクガのライブを何度も見て、何度も斬新な演出に騙されたことがあったが、今日はしてやられた。

やっぱり、SFだったんだと。さっきのMCも映像だったってことかと。よくSF映画で立体ホログラムがノイズで乱れるみたいな映像表現があるけど、そんな感覚をリアルで擬似体験した気分になった。

 

そして、本物の4人が現れて、真っ白いスクリーンに文字化けしたMaison book girlのロゴが表示されていて、ここからが本編スタートといった感じでライブが始まったわけです。

そのロゴの文字化け具合がカッコ良すぎて震えた。なんてカッコいいデザインなんだと思った。いや、何度も言うけど、この登場の演出マジでカッコ良すぎた。

 

そのあと、town scapeという曲で、フードを被ったダンサーが4人加わり、8人になって円形になりケンケンパの振りをしているのが可愛かったんけど、僕はもう疑心暗鬼になっているんで、実はフードを被ったダンサーが本物で、さっきまで本人だと思っていた4人は別人だったりして…!? って、序盤の映像の演出、SFバーチャル体験をずっと引きずっていたのかもしれない。


ブクガのライブはなにが起こるかわからない。油断ができないのである。 

よくコンサートで「特効」と呼ばれる、パン!って銀色のテープが舞うやつ。今日あの演出があったんすけど、特効のタイミングまで斬新だった。ポエトリーリーディングのあと、ペストマスクが一人残った状態で、ものすごい眩しいフラッシュと、けたたましい音の「ガーン!ガーン!ガーン!」という金属音がしばらく連打されたあとにパーン!!!と銀テープが舞った。いや、なにかが爆発したかと思ったよ。爆発事故かなって。まじで心臓に悪すぎだよ。普通ならもっと盛り上がるハッピーな演出な筈なんだよ特効って。こんなシュールな特効はじめて見たよ。そういう演出もいまとなってはすべて愛おしいよ。

そして、最後の「last scene」で、徐々にステージが暗くなって曲の途中でバスッと音が切れて、そのタイミングで会場がパッと明るくなりステージにはブクガの4人はいなくなっていた。

「え?終わり?」と思った。

最後に拍手をしていたら「本日の公演はすべて終了となり〜」というアナウンスが流れたので、終わったってことらしい。悲しい。

 

会場を出ようとすると、入り口でスタッフの人が紙を配っており、

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中を開くと、URLだけが書いてあった。

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公式サイトのURLで、公式サイトを開いてみると、サイトがすべて消えていた。

 

ニーア・オートマタかよ…。

セカイ系にもほどがあるよサクライさん、データを全消去する勇気は俺には無いよ。

こんな終わり方は淋しすぎる。だけど、こんな終わりだからこそ永遠に語り草になるだろうと思う。Maison book girlというグループは唯一無二でした。脱帽です。

 

でもやっぱりまだ実感がわきません。動揺して文章がまとまっていなくてすいません。