FUJI ROCK FESTIVAL '21 8.21(sat) DAY 2
フジロックに行ってきました。
2日目の土曜日と3日目の日曜日の2日間。
コロナ禍のなか、開催すること自体間違っているのではないかと多くの批判を受けているフジロック。そこに参加することも間違っているのではないかと、参加を辞退した人達が多くいるなかで、自分も行くか行かないか直前まで悩みました。当日の朝まで悩んだ末に行くことを決意しました。
もしかしたら、今回でフジロックは最終回になってしまうかもしれない。もう二度とフジロックに行けなくなってしまうかもしれない。一生後悔してしまうかもしれない。それを思うとどうしても行きたいという気持ちが抑えられませんでした。ごめんなさい。僕の行く理由なんてただのエゴでしかありません。行くことへの批判は素直に受け止めます。
だから、周りの人に迷惑をかけることだけは絶対にしたくない。
フジロックは「世界一クリーンなフェス」と海外からも称されているくらい、客のマナーがとにかく良い、客の意識が高いフェスだと評判なんです。それはきっとみんなフジロックが好きだから、その環境を守りたいという個々の意識が高いんだと思う。運営から「こうしてください。ああしてください。これはダメです。あれは禁止です。」とか言われるのはいままでほとんどなかったです。客は言われなくても自分の身の安全は自分で守ってきました。大雨が降ってびしょ濡れになっても、足元が泥だらけになっても、灼熱の暑さに熱中症になっても、夜になって凍えるような寒さになり風邪をひきそうになっても、台風がきてテントが吹き飛んでも、どんなに酷い目にあっても我々フジロッカーは文句も言わず動じない。それはみんなフジロックが好きだから「自己責任」という精神で参加してきた。フジロック運営側とお客さんとの関係性はお互い信頼関係で成り立っていた気がする。しかし、今の状況はフジロックにとって大きな試練であり岐路に立たされているのかもしれない。今回みんなが試されている。フジロックを愛する人たちがどれだけみんな真面目でストイックかってことを示さないといけない。ルールをちゃんと守れる大人なんだということを。
まず、フジロック運営は下記のようなガイドラインを参加者に提示。
そして、コロナ感染予防対策のひとつとして、フジロックの入場チケットを購入した人全員に、「抗原検査キット」を無料で配送してくれた。
僕は出発の当日の朝、検査をして陰性を確認した。
このキット、フジロック運営に申し込みをすると届けてくれる段取りで、まず申し込みのメールがきて、キットが届くまでの間、3回の確認の電話がきた。「申し込みはされましたでしょうか?」「届きましたでしょうか?」参加者一人一人の電話に直接何度も連絡をするほどのスタッフの人員を確保したということで頭が下がる。それだけでも相当な手間とコストがかかっているに違いない。
8/21(土)
7:30 起床
8:50 出発
11:40 東京発 新幹線(新潟行き)
12:59 越後湯沢着
なんだかんだ、越後湯沢に到着したのが昼になってしまった。ひとまずホテルに荷物を置きにゆく、今回のホテルは越後湯沢駅から徒歩5分のホテルである。
ホテルのチェックインは15時からなので荷物だけ預けて、再び越後湯沢駅へ戻り、シャトルバスに乗って会場へ向かう。
会場までの送迎シャトルバスに乗る前に、フジロック運営スタッフが「検温チェック」と「個人情報」の提示を求められる。「個人情報」とは、事前にアプリをダウンロードの上、顔写真と個人情報、来場前の検温結果や体調など必要な情報を登録したものを提示するのである。
個人情報アプリをスタッフに提示すると「検温済」のリストバンドが渡され、腕に巻いてシャトルバスに乗り込む。
いよいよ会場へ。越後湯沢駅から約40分。乗客は誰一人一言も喋らない。これから楽しいフジロックに向かうバスなのにだ。「大きな声で騒がない」というルールをみんな真面目に守っていた。静まり返るバスの中、車内では永遠注意事項のアナウンスが流れていた。
会場手前の駐車場に到着。
バスを降りて検温と消毒を。
チケットをリストバンドに交換し
今回は土日の2日間の参加なので2本のリストバンド。
リストバンドを入手して、エントランスゲートにて、「検温」「個人情報アプリ提示」「手荷物検査」「リストバンドチェック」を経て、ようやく入場となる。
抗原検査は会場でも行うことができる。
徹底して全員が「陰性」を確認したうえで会場入りしていることになる。
エントランスを抜けると、いつもと様子が違う。例年は駐車場になっている場所がフードエリアに変更されていた。フードエリアがかなり広くなっていた。
一応、募金してきた。ちょっとでもなにかの足しになってほしいという気持ちで。
募金したら木で作った置物を貰った。記念に大事にします。
毎年貰わないと気が済まないゴミ袋。
フジロックのみんなのアイドル、ゴンちゃんが会場を迎えてくれる。
FUJI ROCK FESTIVAL '21のロゴのゲート。このゲートを見るとフジロックに来た実感が湧いてくる。いつもはここが入場ゲートなんだけど、今回はここは通過するだけになっていた。
ようやく来た。ここがメインステージとなるグリーンステージである。
それにしてもお客さんの数が驚くほど少ない。こんなスッカスカなグリーンステージはかつてあっただろうか。僕が到着したのは14:30くらいだったのだけど、こんなに閑散としているのは異例だと思う。僕は過去10回以上参加しているがこんな光景ははじめて見た。今回チケットの販売は通常の半分だったらしい。ただでさえいつもよりも半分しかチケットを用意していないなかで、そこから直前で行くのを考え直してキャンセルした人がかなりいたらしいので、半分よりもっと少ないのであろう。淋しいけどこれはこれで快適だった。
ステージ前方の、いわゆるモッシュピットとよばれるスペースには、地面にソーシャルディスタンスを示す「点」が表示されていた。この黄色の点の上に立って一定の距離を保ってくださいということらしい。
そしてみんな律儀に点の上に乗って一定の距離を保っている。普段だとモミクチャになるステージ前方のモッシュピットが全員棒立ちだった。みんな周りに気を遣って接触なんてほぼ皆無。動きもたまにジャンプする程度。ジャンプっつってもその場でピョンって小さく飛ぶ程度っすよ。みんなちゃんとルールを守っていたんですよ。健気すぎて泣けるよ。ここにはパリピなんて一人もいません。ロック好きな人たちって意外とみんなシャイで、ストイックで、真面目な大人なんです。僕らも点の上でサンボマスターがはじまるのを待機していたら、ちょうど前の点がひとつ空いていて、あとからきた女の子が「すいません、ここ空いてますか?」と言うので「どうぞ」と言うと嬉しそうに「ありがとうございます!」と、空いている点に立っていた。まるで点が「客席」のようになっていたんですよ。
今回、みんな色んな思いで来たと思うけど、ルールを守らない人とかマナーが悪い人がいて嫌な気持ちとか悲しい気持ちになったら嫌だなって思っていたんですけど、そんなルールやマナーを守らない人は、僕が見た範囲では誰一人いませんでした。
そして、全員マスクしていて「大声を出してはいけません」というルールもちゃんと守っていた。歓声が上げられないから、みんな拍手でレスポンスをしていました。
ライブが始まる前の転換と終わった後の転換のタイミングで、ステージ上から「注意事項」と「ソーシャルディスタンス」のアナウンスが必ず行われていました。
GREEN STAGE
14:50-15:50
まず最初にサンボマスターのステージから観ました。しかし突然のゲリラ豪雨が、バケツをひっくり返したような激しい雨が降り、途中からもうやけくそになって両腕を上げて全身で雨を受けたら、なんか色々とふっ切れたというか、サンボマスターの音楽ってとにかく人を元気にしてくれる不思議な力がありますよね。今日このイベントに来て良かったのか良くなかったのかモヤモヤしていたけど、答えはやっぱり分からないところがあったけど、サンボマスターのライヴを見て元気になったのは事実であった。「花束」という曲で、ステージのモニターの映像に、去年から今年にかけて開催できずに中止になってしまった様々な音楽イベントのロゴが表記していたのが泣けた。
今回、お客さんが少ないと一番実感したのがトイレでした。トイレに行列がほとんどなかった。いつもトイレに行くには10分以上(長いときには30分)並ぶことはザラで、トイレに行く時間のためにスケジュールを立てる必要があるくらいなんですけど、今回はトイレに行き放題だった。
トイレの手洗いの水道には、ちょっといいハンドソープが置いてあり、いい香りだった。ここ山の上ですよ、野外のキャンプでこんな立派なハンドソープ見たことないすよ。たぶんどこかのメーカーのタイアップなんだろうか。
アルコール消毒が各所に設置されていた。
元ちとせを見にヘブンへ移動します。
会場を移動していると各所で「マスクをしっかりしてください」と注意喚起するスタッフが巡回していた。鼻をちょっとでも出してる人がいたら注意される空気感。そもそもマスクをしていない人は僕が見たなかでは一人も見かけませんでした。
グリーンステージとホワイトステージの間には、キッズランドという小さな子供が遊べるスペースがあるのだけど、今年はかなり小規模になっていた。
暑い日には川遊びができるトコロ天国の川は、さっきのゲリラ豪雨で川の勢いがすごいことになっていた。
フィールド オブ ヘブンに到着したころにはTHE SKA FLAMESの演奏がすでに始まっていた。元ちとせの登場はまだだった。間に合ってよかった。
FIELD OF HEAVEN
15:50-16:50
plus Special Guest 元ちとせ
元ちとせの歌声が聴きたくて見に行ったわけです。しかもSKA FLAMESとコラボとのことでスカバージョンのワダツミの木が聴けるのは熱い。元ちとせの歌声って唯一無二というか、日本の宝だと思っているんですけどあってますよね? あの独特なコブシはものすごい達筆な書道家が書く筆文字のよう。こんなにギリギリの攻めた発声でなぜ音程をキープできるのか本当に不思議だ。今回SKA FLAMESとのコラボなのでスカバージョンだけど、ジャズも親和性があるだろうし、ダブステップあたりの音も融合したエレクトロな元ちとせも聴きたくなってしまった。勝手なことを言ってすみません。
そういえば会場に来てまだなにも食べ物を口にしていなかった。ヘブンの近くのフードエリアへ。
毎回必ず食べないと気が済まないぐるぐるウインナー。うまい。
そして、毎回必ず飲まないと気が済まない朝霧ヨーグルト。今回はカシス味を選んだ。酸っぱくて美味しい。沁みる。
今回はお酒の販売は禁止なのでみんなソフトドリンクで我慢してます。だけど、僕は元々フジロックでは酒をいっさい飲まないタイプなのでお酒禁止に関してはなんの影響もなかった。だってお酒飲んだらトイレが近くなるから。トイレに行く時間が勿体ないから飲みたくないんです。
グリーンステージに戻ります。
ここにもゴンちゃんが。
GREEN STAGE
16:50-17:50
このあたりから、見るステージが多くて忙しくなります。僕の青春のヒーロー達が立て続けに現れるので、気持ちが追いつきません。ヒロトとマーシーは永遠に僕のヒーローであり、彼らがいまも現役でヒーローのままで居続けてくれているのは幸せなことだと改めて思う。
ご飯を食べに移動します。
グリーンステージに近いトイレ。この時間帯は例年だとものすごい行列になっているはずなんですが、誰も並んでいない、トイレに行き放題な状況。いつもなら20分は並ぶであろう時間帯にこの光景は異常。いかに今年が客が少ないということを象徴している光景である。
釜で焼き立てのピザを食べました。これが口から光が出るほど美味かった。
Ken Yokoyamaを観るために再びグリーンステージへ。
GREEN STAGE
18:50-20:00
この時間は、元々コーネリアスが出演する予定だったのが、色々あってコーネリアスの出演が直前になってキャンセルになってしまい、急遽Ken Yokoyamaが代わりに出演することになったと。数日前に言われて来たんですって、そんな急な対応ができるKenさんは男前だなって思った。だって相当なプレッシャーだと思うんです。Ken Yokoyamaのグレッチがギャー〜ン!!と爆音で苗場の森や山に跳ね返って響いた瞬間、僕はなぜだか分からないけど目の奥から熱いなにかがジワジワと溢れてきたのです。
バースデイとナンバーガールを観るためにホワイトステージへ急ぎます。
WHITW STAGE
19:40-20:40
もう憧れの人がたて続けに出てくるので、僕の精神力はゼロに近づいていました。だって、人生観を変えられたくらいの影響を与えられた人達がこんなに集まることってある??
もう終わりなの?俺死ぬの??走馬灯なの?これ。最終回ってこと?もうダメです、いろいろ感傷的になりすぎて心が保っていられない。そんななか「涙がこぼれそう」という曲がはじまって、僕は両腕をあげながら泣いていた。そりゃ泣くだろ。
そして、次はナンバーガールです。
WHITW STAGE
21:30-23:00
ナンバーガールというバンドは1995年に結成し2002年に解散し、2019年に再結成したのですが、再結成してから僕は一度もライブを観れていなかった。単独ライヴはチケットが即完で、応募してもすべて落選。フェスなら見れるだろうと2019年のライジングサンのチケットを購入し北海道行きの航空券とホテルも予約したのだけど、まさかの台風によりイベントが中止に。翌年2020年のフジロックの出演が決まり、今度こそはと思っていたらコロナで延期に。2020年の単独ライブもことごとくコロナで中止、もしくは無観客ライヴ。
もう一生ナンバーガールのライヴを見ることはできないのかな…とまで思った。
どうしてもナンバーガールのライブが見たかったんです。だから今日フジロックに来てしまいました。そしてようやく見れた。感無量です。最高のライブでした。ホワイトステージの最高の音響と、雨も上がり最高の景色でした。聴きたかった曲も全部やってくれた。神セトリでした。もうなにも思い残すことはありません。今日という日は一生の思い出となるでしょう。本当にありがとうございました。
レッドマーキーに向かいます。
今日の最後のアクトとなる、THE SPELLBOUNDを観にレッドマーキーに来た。
RED MARQUEE
22:55-23:40
THE SPELLBOUND
BOOM BOOM SATELLITES 中野雅之とTHE NOVEMBERS 小林祐介によるロックバンド。2020年より活動を開始し、今回結成してから2回目のステージなんですって。2回目とは思えない圧巻のステージでした。中野さんがまたバンドをはじめてくれてとても嬉しい。ノーベンバーズの小林さんのシューゲイズな音は中野さんの音と親和性があってすごくワクワクした。またひとつ日本が世界に誇る新しいバンドが誕生した瞬間に立ち会えたことを嬉しく思います。ときおり小林さんに川島さんが憑依したかのように見えた瞬間もあった気がした。BOOM BOOM SATELLITESの残像が見えた瞬間が確かにあったんです。
終演後の拍手が鳴り止まずアンコールが起こり、アンコールの曲が終わっても拍手が鳴り止まなかった。僕はナンバーガールで燃え尽きていたけど、最後の力を振り絞ってホワイトステージから駆けつけて観ることができて本当に良かった。
そんなかんじで1日が終わりました。越後湯沢のホテルに戻ります。シャトルバスの行列は意外と短かった。ほとんど待ち時間もなくバスに乗車。
今日の宿はこちらです。すごく立派。温泉もあります。
お部屋はこんなかんじです。広くてキレイ。
近くのコンビニでカップラーメンを買って来た。疲れた体に沁みる。正直これが一番美味かった。
明日もあります。
最終日につづきます。